ヘルシーなサラダ味
言語はその言語の話者の思考に影響を与える、とする説がある。
いわゆる「サピア=ウォーフの仮説」だ。
提唱した言語学者のエドワード・サピアとベンジャミン・ウォーフにちなんで名づけられた仮説だが、そのウォーフが火災保険会社で働いていた時のエピソードが興味深い。
彼がガソリンの貯蔵施設での火災を調査していると、ガソリンが入っていない「空の(empty)」ドラム缶が置かれた部屋が火元になっている場合が多かった。
実際には「空の」ドラム缶にも可燃性のガスが充満しており、付近で火を扱うのは危険なのだが、「空の」という単語がその危険性を認知しづらくさせていたのだろう。
そういえば、俺はじゃがりこの「サラダ味」が好きなのだが、この味の正体は「サラダ油+塩味」である。
「サラダ」という語からはさわやかで健康的な印象を受けるけれど、実際は全然ヘルシーではない。