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略そうぜドラゴンボール

子どもの頃から「ドラゴンボール」が好きだった。
原作漫画はもちろん、歴代のアニメ「ドラゴンボール」「ドラゴンボールZ」「ドラゴンボールGT」は、俺にとってかけがえのない作品だった。

けれども、近年新たに制作された続編アニメ「ドラゴンボール超」やその劇場版には、さすがに食指が動かなくなっている。
俺がおっさんになったせいだろう。
子どものころあれだけ夢中になった、俺たちの「ドラゴンボール」の世界を、全王様に破壊されたくないという想いが強いのである。

それにしても、今の小学生の間でも人気になるなんて、やはり「ドラゴンボール」は漫画・アニメ史に残る傑作だ。

さて、ここまで俺は計7回「ドラゴンボール」という文字を打ってきたが、今の子たちにとってこの長い(?)タイトルを省略せずに言うのは、俺たちおっさんの想像を絶する苦行らしい。
というのも、近年「ドラゴボ」という略称を頻繁に耳にするようになったからだ。

「ドラゴボ」
「ドラゴボZ」
「ドラゴボGT」

すごい違和感である。
別に今の子たちの言語感覚に対して苦言を呈すつもりはないが、かといって若い子に合わせ「ドラゴボ」と略すのは絶対に嫌だ。

なぜだろう?
スポ魂、ラブコメ、エンタメ、パソコン……。
この種の略称は俺だって日常的に使っているはずなのに、なぜか「ドラゴボ」だけは、誰に何を言われようと(誰にも何も言われないが)受け入れられそうにない。

思うに、俺にとって「ドラゴンボール」はもはや「幼馴染」なのだろう。
勝手に「ドラゴボ」と省略されてしまったら、俺の「幼馴染」のアイデンティティが揺らいでしまう。
それが「ドラゴボ」に対する、この強烈な違和感の原因なのではないだろうか。

たとえば俺は小中学生のとき、親しい友人からは「テラ」と呼ばれていたが、高校や大学ではそう呼ばれることがなくなった。
もし大学の同期から「テラ」と呼ばれたら、あるいは中学時代の旧友から名字に「くん」づけで呼ばれたら、その違和感は非常に大きいだろう。

そういえば、「ドラゴボ」ほどではないものの、最近の若い子が「バイト先」を「バ先」と略すことにも少々違和感を覚える。
でもまあ、この略称にはわりとキャッチーな響きがあるから、そのうち俺も使うようになるかもしれない。

バ先って略すんですね若い子は
じゃあバルサミコ酢はバ酢ですか

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