うろこ

ナレーター・ボイストレーナー、ときどき、着物屋のおかみさん。 日本のことば、文化、歴史…

うろこ

ナレーター・ボイストレーナー、ときどき、着物屋のおかみさん。 日本のことば、文化、歴史が好きです。日本語が好きで音声学に基づいたボイストレーニングの指導資格を取得。和泉流狂言と裏千家茶道を学び、お店の奥の茶室で体験ワークショップや、着付け教室をやっています。

最近の記事

狂言のこと-1(現在につながる台詞術)

狂言のお稽古について書いたら、ちょっと面白いのではないかと思いました。 私の社中では、年1回、能楽堂で発表会があり、1年のうち8ヶ月くらいはその稽古に費やします。 狂言は基本的には弟子と師匠との個人レッスンです。謡やセリフの稽古は師匠の声をひたすら真似ることに終始します。 発表会の演目が決まり、相手役が決まるとその演目の練習に入り、相手役と一緒に稽古をしますが、10回も一緒にはやらないですね。 必要な時だけ一緒にやる感じです。そこが現代劇とは違います。 稽古の基本姿勢

    • お茶室日記-1(和菓子を楽しむ会)

      小さな着物屋の奥に作ったお茶室で、茶道体験ワークショップをスタートさせ、月に1〜2回、開催しています。 そこから、もう少しお稽古したいという方が数人いらして、お稽古日を月に1〜2回ほど設けて、私の師匠の娘さんや、高校時代の同級生に講師をお願いしています。 そうしたことが、1年続いて安定してきたのと、私がお茶室の準備に慣れてきたこともあり、お抹茶と和菓子を楽しむ会を開催することにしました。 私は、若い時からお酒が好きだったので、30代後半でお茶を始めるまで、それほど甘いもの

      • お茶に関するあれこれ-2

        「美しさ」というものは、伝統芸能一般、あるいは、和洋問わず、共通のものがあると感じますし、それに近づきたいと思いながら稽古をしています。お茶のお稽古で柄杓の取り扱いについてご注意を聞いていたときに、ふと、狂言の師匠の「型だけやってればいいわけじゃないんですよ!」という叱咤が聞こえてきた日でした。 お点前するというのは、お点前を見せるということであると思いますし、「見せている」という意識は、芝居では重要視されますが、お茶のお点前では、どうなんでしょうか? 見せるというよりは

        • お茶に関するあれこれ-1

          茶道体験ワークショップをやり始めて、今月で1年経ち、それもあってか、先日のワークショップで掛けた軸「日日是好日」が、心に響きました。 森下典子さんの著作にもありますね。 「毎日が良い日だ」というような訳になりますが、起こることに良い悪いはなく、今を大事に生きることだ、というような解釈があります。 物事が起きた、その瞬間に感じることと、振り返って思う事は違うことが多いですし、先のことを考えてもどうなるか分からないから、今できることをやるしかない。それなら、今できることをしっ

        狂言のこと-1(現在につながる台詞術)

          茶室をつくることになりました-5(最終回)

          最後に投稿してから、だいぶ、時間が経ってしまいました。 私の主人が着物屋をオープンするにあたり、お店に茶室を作ることになったので、 その過程を書いたら面白いかなと思い始めたのですが、オープンまでに思わぬことがたくさん起こり、なんとか、2年前にオープン。 7月10日で2周年となります。 オープンしてからは、自分の仕事とお店の手伝いとで、文章を書く余裕もなく、目の前のことをただただやることに終始していました。 まぁ、コロナの真っ最中でのオープン、主人は着物の販売に関しては長らく

          茶室をつくることになりました-5(最終回)

          茶室をつくることになりました-4

          茶道に足を踏み入れたばかりの未熟者が、新しくはじめる着物屋のなかに思い切って作ることにした「茶室」のあれやこれやを書いています。思うところを、ざっくばらんに書いており、浅慮なところもあると思いますが、めったにない経験の記録であり、茶道を身近に感じて頂けたら嬉しいです。 実は、しばらくお店の工事が止まっておりました。会社を設立するのも、お店をつくるのも、はじめてというなかで、手続きがスムーズにいかなかったり、建築上の思いがけない規制があったり、挙げ句の果てには資金繰りがあやし

          茶室をつくることになりました-4

          茶室をつくることになりました-3

          お茶の先生からご紹介いただいたお道具屋さんに設計図を見ていただき、準備しなければならないものについてご相談をしました。 茶室をつくるには、茶室でしか使わない、いろいろなものがあります。 湯を沸かす「炉」周辺のもの、掛け軸や花器を掛ける「釘」など、あげればキリがありません。釘だけでも場所によって形も違い、使うものが決まっています。本ではよく分からなかったところなども、お道具屋さんに丁寧に教えていただきました。 お話をしているうちに、どういう茶室にするのか、という軸がとても大

          茶室をつくることになりました-3

          茶室をつくることになりました-2

          さて、私のダンナが、新しくはじめるお店につくる茶室を4畳半にするところまでは決まったのですが、お客さまの出入りする躙口、お茶を点てる亭主の出入り口である茶道口、そして、床の間の3つの位置がなかなかうまく決まらず、頭を抱えておりました。 お店の中につくるので、茶室優先ということが難しく、場所に制約が出てきます。 躙口と、茶道口と、床の間は三角関係が使いやすい茶室と言われています。裏千家の又隠は、前回も載せましたが、こんな感じ。 一方、私たちが作ろうとしている茶室は、諸々の制

          茶室をつくることになりました-2

          茶室をつくることになりました-1

          こんにちは。 茶室をつくることになりました。 私のダンナは、小さなリサイクルの着物屋をやっていたのですが、新しいお店をスタートさせることになり、そのお店のなかに着物で楽しめるスペースとして「茶室」をつくると言い出しました。 面白いとは思うのですが、茶道に関して、ダンナは、ずっーと前に、基本的な手前をやったことがあるくらい。私は、習いはじめて3年の初心者。 まずは、ジュンク堂にあった茶室の本をあるだけ購入して、茶室を知るというところからはじまりました。 茶室の設計は、基本

          茶室をつくることになりました-1

          はじめまして。

          はじめまして。 落ち着いたら、noteに日本のことばや、文化について、私が感じることを書いてみたいという気持ちがあったのですが、なかなか、落ち着いた時というのはやってはこないもので。 思いきって、3年前に茶道をはじめた時も、そんな感じでした。 20代のころから、もっと余裕ができたらやろう!と思って、40代を迎えてしまい、ここでやらなかったら、もう、やらないかも・・・と思って、入門したのがきっかけでした。 文章を読むのも、書くのも好きで、それが嵩じてナレーターになりました。

          はじめまして。