つながり活動 〜 銭湯でつながる 〜
しばらく遠ざかっているのですが、
幼い頃から銭湯の雰囲気が大好きでした。
人が自然に集まるところであり、
風呂上がりの、瓶のフルーツ牛乳が最高なところ。
そして番台の向こう側のシークレットゾーン。
ワクワクの場所、銭湯。
自宅のお風呂がよく故障していた時期は、近所の銭湯に通っていました。
職場の近くの古い商店街に、未だに小さな銭湯があって、
月に1度だけ、感謝デイで100円で銭湯に入ることができる時があります。
その日は銭湯の前には、たくさんの自転車が横並びします。
その風景を見ていると、
「 たまには銭湯に行きたいな〜 」
なんて思います。
疲れが溜まりすぎている時に、熱いお湯に浸かると、
次の日の体の軽さが違います。
そうです。おじさんです。
スーパー銭湯などでいろんな種類のお風呂に入るのも、もちろん好きです。
全種類を制覇しないと、
なんだか勿体ない気がして、ついつい積極的になります。
ノーガードであちらこちらを、ゆらりゆらりと歩いています。
銭湯の中で1番好きなのは、たまたま入ったお風呂スペースで出会う人達と、
思ってもいない会話ができることです。
やはり年上の方しか気軽に話してはくれませんが、
それでもいきなり裸の付き合いができるような気がして、
なんだが嬉しい気持ちになります。
お風呂の中で、
人生の先輩方の貴重な話を聞かせてもらい、
よく、茹でダコになりそうになったことを覚えています。
今考えると、銭湯は社会勉強の場でもあったのかなとも思います。
近所の銭湯を眺めていると、
ふと、銭湯の思い出が蘇ってきました。
私の銭湯での1番の思い出です。
近所の銭湯で、
少しぬるめの、白い色のついたお湯が入ったゾーンに、
1人で優雅に浸かっていた時の出来事です。
熱めのお湯のお風呂の後だったので、
のぼせ気味の体を冷まさせるような気持ち良さがあり、
とてもリラックスした気持ちでいました。
しばらくすると、
小さい子供が泣きながら白い色のお風呂ゾーンに
小走りでやってきました。
私はお湯に浸かりながら、
「 あらら、どうしたんやろう? 」
と思っていたら、
続いて、その小さい子供のお父さんらしき人がやってきました。
そのお父さんは泣いている小さい子供を見ながら、
「 おい、ここか?ここなんやな? 」
と、小さい子供の顔を覗きながら聞いています。
すると、
小さい子供が更に大声で泣きながら、
「 ごめんなさい、ごめんなさい〜 」
と泣き叫んでしまいました。
なんか悪いことしてしまったのかなと想像したのですが、
小さい子供が泣いているのが可愛そうで、
どうしようかなと思っていたら、
「 ほら、一緒に謝ろう 」
と小さい子供を諭し、
私と私が入っているお風呂に向かって、
お父さんと小さい子供が深く頭を下げてこられました。
「 ごめんなさい 」。
私が思わず、
「 えっ、どうしたんですか? 」
と聞くと、
なんと、
白いお風呂の中で、
小さい子供が、
大きいほうをしてしまったと言うのです。
「 う、うそ〜ん・・・ 」
自分はその問題のお風呂にずっと浸かっていました。
まるで私専用のお風呂かのように。
なんなら顔や頭にも手ですくったお湯をかけて、
優雅に楽しんでいたのでした。
まさか大きいほうとブレンドされたお湯だとはわからずに。
ふと、お風呂の隅のほうを見ました。
すると、
白いお湯の水面を、
波打つたびに
浮いては沈む例のものが、
残念ながらハッキリとこの目で確認できました。
「 う、うそ〜ん 」。
気持ちがリラックスしすぎていて、
お風呂の隅に潜む、
小さい子供が排出した、小さな物体には全く気づかなかったのです。
「 リラックスしたんやね、仕方ないね 」
と言い、
私はすぐに洗体場に向かいました。
頭と体を交互に5回ほど丁寧に洗いました。
これが、今までで1番自分の体をピカピカに洗い上げた、
銭湯の思い出です。
「 銭湯でつながる 」。
銭湯や温泉に行った時は、
人とつながる前に、
まず最初に、
お風呂の隅っこを見た方がいいと思います。