つながり活動 〜 乙女な娘とつながる 〜
私には中学2年生の娘がいる。
小学校1年生から兄の背中を追いかけて、
地元のサッカー少年団に入団した。
男の子がほとんどで、女の子は2人だけだった。
一緒にサッカーをしていた女の子は、
小学校卒業と同時にサッカーを辞めた。
今は女の子は娘1人だけで、中学校のサッカー部に入部し、
男の子に混じってサッカーを続けている。
小学生の頃から背が高く、持久力もあったためか、
レギュラーとして試合に出させてもらっていた。
さすがに中学生になれば、
男の子と力の差が出てくると思っていたが、
何とか今もレギュラーを維持している。
昔からスポーツウエアしか着なかった娘が、
中学校になると、
異性を気にするお年頃になって、
急にオシャレに目覚め始めた。
そんな娘は、
中学校の部活は楽しいとは感じているものの、
中学校を卒業すると同時に、
サッカーも卒業すると言い出した。
理由を聞くと、
「 普通の女の子に戻りたい 」
と言う。
なんか聞いたことあるな。
あなた、平成生まれなんですけど。
親としては、
女子サッカーへの道も想像していたが、
本人に聞くと、
「 女子の雰囲気は嫌やねん 」
と言う。
一応、中学で女子サッカーをする女子生徒の集まり等もあり、
「 目指せ、なでしこリーグ！！」
といった感じで、
今でも時々、女子選抜の練習や試合に呼ばれることもあるのだが、
娘は、
「 なんか女子とやるのは、やりにくいねん 」
と言う。
あなた、女子なんですけど。
もちろん、
決めるのは本人。
特に、本人がサッカーをやめると決断しても、
親としては問題ないと思っている。
サッカー部の顧問や、
同じく女子サッカーを続けている女子生徒の親御さんたちに言わせると、
「 もったいない、後悔しますよ！ 」
といった感じのことを言われる。
それでも娘は、
笑ってごまかしながら、
家に帰ると必ず、
「 もう、高校からはサッカーせえへんし 」
「 私、高校は共学に行って、バトミントンするねん！」
と少しずつリアルな言葉を付け加えながら、
自分の意思を表明している。
今はサッカーよりも、
ジャニーズのSnowManに夢中だ。
サッカーではあまり悔し泣きをしているところは、
見たことはなかったが、
先日、コンサートのチケット申し込みに落選し、
泣いて落ち込んでいるのを初めて見た。
あなた、女子なんですけど。
あ、これは女子でもいいやん。
すっかり乙女になった娘。
これからどんな人と恋をして、
どんな女性になっていくのか、
どんな仕事を選んで、
どんな将来を歩んでいくのか。
父としては、成長していく娘を嬉しく思う。
「 乙女な娘とつながる 」。
最近はリビングに座っていると、
「 SnowManの映像をテレビで見ていい？」
と言いながら、
突然、私の背中を笑顔で蹴ってきたりする。
「 お父さんはサッカーボールじゃないっ！！」
公園で一緒にサッカーボールを蹴っていた頃は
あんなに可愛かったのに。
少しずつ離れていくことを想像しながら、
心と背中の痛みに耐えながら、
今は娘を見守っている。
