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”#4” 気付いた時には遅かった
システム開発の仕事を紹介して貰いながら、実績を積み上げている中
スタッフとして参加してくれるメンバーと共にスキルアップを目指して設備の拡充や、取引先から預かった機器で様々なテストをしながら、情報収集に明け暮れていた。
最初はボランティアのような感じで遊んでいたメンバーにも実力が付き始め、徐々に専属スタッフとなっていった。
当然の事だけど、給与も支給しなければいけない。
固定経費が発生し始めたところで、自分の経営に関する知識や感覚がなく、とりあえず、手元に入ってくる契約金から、分配するだけというどんぶり勘定でしばらくしのいでいた。
しかし・・・
設備経費などは、クレジットでの引き去りだし、こまごまとした経費も、ほとんど小遣い帳レベルの記載のみで、まともに経理の作業は出来ていなかった。
外部の方々から、「税理士とかに聞いてみたら?」
などと言われても、「どこにいけばいいのか」、「費用はいくらかかるのか」と分からない事だらけ。
そもそも、趣味の延長で始めた仕事に、「経営」という感覚がない。
個人事業の雑な運営は徐々にほころびが大きな傷となっていくのです。
好きな仕事だったからこそ、集中できるし、奇跡的なタイミングで閃きが窮地を救う事が出来た。
技術者として、仕事に集中出来ていれば、これでも幸せな時間だった。
私はその時「躁状態」だったのでしょう。
勘違いされる事が多い「躁状態」は、いろいろなアイデイアが浮かんだり、行動力が活発化して、深夜でも仕事や趣味に没頭できてしまう事で、周りを巻き込んでしまう。
ただの、「迷惑人」
それでも、動けてしまうからたちが悪い。
まだまだ出来る事があるはず! と 思っていたら
ITバブルが弾けていた。
派遣で頑張っていたメンバーが帰ってきてしまい
新規の仕事も取れなくなり、一気に事業が止まってしまった。
金銭的な破綻は目の前に迫っている。
個人事業で出来る事は限られているうえに、自分の能力を超えた仕事は受けられない現実が分かっているから、仕方なく廃業する事になり
「気付いた時には遅かった」と・・・
今では黒い歴史そのもの、今でも心の傷となっています。
様々な、取引先への挨拶を済ませ、廃業手続きと破綻による金銭問題を紹介された弁護士へ全てをゆだねる事になりました。
約12か月後・・・
弁護士より分厚い封筒と共に、手続き完了の通知を受け取り、肩の荷を下ろす事が出来ました。
双極性障害「躁状態」の怖いところは、
「本人は気付かない」
「本人は悪気はない」
「本人の思いが強く周りを巻き込む」
昭和の「精神論」だったら正解とされる事かもしれませんが・・・
実際に身をもって経験した「双極性障害」の実態
「社会的な信用問題」
「金融機関の信用問題」
「友人・知人との信用問題」
社会的弱者とは言えないという認識のまま
問題を起こしてしまう病気だという事を知った時は
時、すでに遅し・・・
私が「双極性障害」と診断されるまで、およそ16年