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♡今日のひと言♡谷川俊太郎


「いや」〜『子どもたちの遺言』(2009) 

谷川俊太郎(1931~東京・詩人、翻訳家、絵本作家、脚本家)
1952年に「二十億光年の孤独」でデビュー。以降、詩作にとどまらず、さまざまな分野で活躍を続けている。受賞作品多数。代表作に詩集「六十二のソネット」(1953)、「落首九十九」(1972)、訳詩集「マザーグースのうた」(1975)など。


「いや」 

いやだと言っていいですか?
本当に体の底からいやなことを
我慢しなくていいですか?
我がままだと思わなくていいですか?

親にも先生にも頼らずに
友達にも相談せずに
ひとりでいやだと言うのには勇気がいる
でもごまかしたくない
いやでないふりをするのはいやなんです

大人って分からない
世間っていったい何なんですか?
何をこわがってるんですか?

いやだ といわせてください
いやがってるのはちっぽけな私じゃない
幸せになろうとあがいている
宇宙につながる大きな私のいのちです



2023.9.18 Planet Earth


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福田尚弘
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