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♡今日のひと言♡坂口安吾


~『不良少年とキリスト』(1948)

(本文)
・・・生きることだけが、大事である、ということ。たったこれだけのことが、わかっていない。本当は、分かるとか、分からんという問題じゃない。生きるか、死ぬか、二つしか、ありやせぬ。おまけに死ぬ方は、ただなくなるだけで、何にもないだけのことじゃないか。生きてみせ、やりぬいてみせ、戦いぬいてみなければならぬ。いつでも、死ねる。そんな、つまらぬことはやるな。いつでも出来るんことなんか、やるもんじゃないよ。

坂口安吾(1906-1955~新潟・小説家
1931年に「風博士」「黒谷村」で文壇に登場。その後「日本文化私観」「青春論」などの随筆を発表した。第2次世界大戦後、「生きよ、堕ちよ」という逆説のモラルを評論「堕落論」(1946) で説き、小説「白痴」(1946)などを発表、戦後社会の混乱と退廃を反映する作風を確立した。ほかに推理小説「不連続殺人事件」(1947~48)、文明批評的「安吾巷談」(1950)など。


2023.10.5
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福田尚弘
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