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飛び出す勇気
僕がその経験を初めてしたのは、
中学受験で私立中学に進学したときだ。
小学校時代、進研ゼミを受講していたり、
塾に通っていたおかげで、
テストではケアレスミス以外
ほとんど間違えることがなかったし、
野球でも市内で少し名が知れていた。
自分で言うのもなんだが、
文武両道だったと思う。
その頃から知への欲求は止まらず、
図書館で歴史上の人物の伝記を読み漁ったり、
国語辞典からかっこいい言葉を探したりして、
授業中に辞書を読んでいるような小学生だった。
母親から話を聞くと、
近所の門の取手にある
ライオンみたいなやつの違いを観察して
ずっと書き写していたこともあったらしい。
それくらい少し変わったやつだった。
そんな僕が中学校に進学すると、
そこでは学力にランキングが
つけられる世界が待っていた。
最初のテスト結果は8位/200位。
「やっぱり上には上がいるな」と思った僕は、
1位のやつに話しかけてみることにした。
名前順で席が近かったこともあって、
思い切って声をかけた。
僕は野球部で少し有名人だったから、
彼も驚いていたみたいだった。
でも話しているうちに、
「この人、歴史が好きそうだな」
という匂いを感じた。
それでふと、
「もしかして日本史好きなの?」と聞いてみたら、
とても嬉しそうな顔で頷いてくれたんだ。
その瞬間、「話が通じる」感覚を
初めて味わった気がする。
それから僕たちはよく一緒に
つるむようになった。
周りから見れば「変わったやつら」
だったかもしれない。
でも彼との時間は本当に楽しかったし、
そのおかげで日本史や三国志について
必死に勉強するようになった。
結果として今でもその分野には
詳しい自信がある。
このエピソードから僕が伝えたいこと。
それは、「話が通じる人は必ずどこかにいる」
ということだ。
孤独を感じる瞬間もあるかもしれないけど、
自分だけが特別孤独なんてことは絶対にない。
「こんなこと、自分しか思っていないだろう」
と思っても、
世界のどこかには90%くらい同じことを
考えている人が必ずいるものだ。
ただ、その人たちと出会うためには
「外に飛び出す勇気」が必要だ。
そしてもうひとつ大事なのは、
「理想」を持つことだと思う。
理想を描くことで、
自分が進むべき方向性が見えてくるし、
それが行動する原動力になる。
「自分を高めたい」という理想があったからこそ、
僕は中学、高校、大学と新しい環境へ
飛び込むたびに素敵な出会いを
手に入れることができた。
だからこそ言いたい。
今いるコミュニティーだけに
依存する必要なんてないし、
我慢する必要もない。
たまたま同じ地区に同じ年代に
生まれ育って受動的にできた友人よりも、
「こいつと話したい」と思える人と
友達になるほうがずっと楽しい。
そしてそのためには、
自分から行動することが大切だ。
外にはもっと面白い世界や人々が待っている。
それを知れば、
今の環境だけに閉じ込められる
必要なんてないと思えるはずだ。
この文章を書いた理由はただひとつ。
「行動した先にしか、
新しい人生や楽しい出会いはない」
ということを伝えたかった。
ただそれだけなのかもしれない。
ほなまた!
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