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茶道具

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2022年4月の記事一覧

春の終わり

晩秋には多くの人が
心を寄せています。
しかし晩春となると・・
理由の一つは、突然
夏日の気温となる事も
有るでしょう。
又更に緑が溢れ花々も
咲きそろっています。

しみじみ落ち着いたと言う
風情には、ほど遠いのが
実感でしょう。
こんな時こそ、お気に入り
茶碗を出して一服を楽しみ
ます。

晩春らしい茶碗!?前夜から
考えていました。秘蔵の絵唐津
茶碗にしました。
伸びやかな線が春を感じさせて

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花文様

花文様

茶友から数年前、菓子器を
恵贈されました。さて取り
出して、使ってみると・・

器自体は京焼で薄手、乾山
らしい絵付けも見事です。
がしかし、お菓子を乗せると
問題ありでした。

花文様が主人公で、肝心
のお菓子が映えません。
器に負けてしまいました。
余程考えないと、菓子器では
使うのが難しい。

懐石の器ならどうでしょうか。
次回試してみましょう。
それでも深見草{牡丹別名}
の柄では、何時で

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初風炉の道具

お節句を一ヵ月延期すると
決めたので、初風炉の道具を
胸を弾ませ思案中。

主茶碗は、流儀の約束から
外れた「高麗刷毛目」。
50年年近く、これのみを使用。
花入れは何と言っても、風炉
最大の喜び「籠」でしょう。

香合も格調高い、堆朱・錫縁など。
まづは運び点前なので、水指も
柄杓の合に合わせ小振りを。
茶入はかっちりした肩衝。

薄茶器は炉開き・初風炉共に、
菊桐蒔絵中棗と決めています。
今回

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初風炉の掛け軸

初風炉の掛け軸

毎年の事ながら、初風炉の掛物のは
悩みます。教えの言葉・禅語にするか・
それとも大好きな和歌・いや目出度い
一行・・・
まあどうせ禅語を掛け、丁寧に説明
した所で、理解できたのやら???

今年は平凡な目出度い言葉を選び
ました。「青松多寿色」で、珍しく
有りません。ご馳走は書かれている
本紙です。石山切れでお馴染みの
「切り継ぎ」の紙でなのです。

清少納言と同じく「紙が好き」な私は、
掛け軸も

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茶道具百話 箱

茶道具百話 箱

「先生、面白い箱の茶碗を頂き
ました。見て下さいますか?」
何が面白いかと言えば、作者の
箱書きが底面に合った事です。
普通は箱の胴体側面に、書かれて
いる筈です・・・

{これね~良く見て、第一に箱の
木目が素晴らしい。脇も「ぶっつけ」
と言う手法でなく、きちんと「三段
組」で止めています。底も紐が通る
様に「四方枠」ですね。更には蓋を
御覧なさい。微かに中央部が、盛り
上がっているでしょう。こ

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稽古日誌

茶道誌「淡交」俳壇一席を

頂いた、記念の取り合わせで。

軸にはずばり、和漢朗詠集の一句

「花踏同惜少年春」を使います。

江戸中期公卿門跡・道恕大僧正の

筆です。久我家の出身で安井門跡・

蓮華光院の住職・東寺長者・東大寺

百八十世を務められた方です。

京都寺町筋を入った、書画幅専門店で

マクリを購入。お家元出入りの表具店

静好堂で仕上げてもらいました。

もう十年以上使っていませ

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茶の湯稽古場から 蝶

茶の湯稽古場から 蝶

{さあ次に炭手前なさる方は、

水屋で香合を選んでおきなさい}

すると順番に当たった人が、呉須の

蝶の香合を持ち出しました。

香合拝見の時に、私から注意を・・

{一羽の蝶は、お彼岸用に出した品。

仏事用なんですよ。荘子の夢と言う

故事からの}と説明を始めました。

{中国戦国時代の思想家、荘子が胡蝶

になった夢を見ました。自分が夢の中

で蝶になったか?それとも夢の中で蝶

が自分に

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茶道具百話 木目その二

茶道具百話 木目その二

お棚や薄板の木目だけで

無く、木地の薄茶器の木目

も正しい物が減りました。

棚同様横に走る木目が増えて、

指導するのに困惑します。

例えばこの桑木地の中次は、

キチンと手前から向うへと

木目が出ています。昔は

稽古道具でも、きちんと出来て

いましたが・・・

U流で使う「貴人台」も、近年は

メチャクチャな木目ばかりです。

職人が勉強不足・原材料が高価・

それとも良い木が無い

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