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三種の園芸神器

● シャベル
● ふるい
● ねじり鎌。

こちらの三種の園芸神器のみで、
難攻不落と言われた不毛の土地を開墾したお話です。

遡ること3年前。
我が家の小さな庭は、一切手入れをしていなかった為、荒地となっておりました。

びっしりと蔓延るドクダミ、笹、スギナ、ミントの地下茎四天王。
土は砂質で岩や石ころを多く含みシャベルが簡単に刺さらないほど悪質。
地下茎四天王の楽園と化したこの庭で園芸など上手くいくはずもなく、私は主に鉢栽培で花を育てておりました。

所狭し鉢

ただこの荒れ庭、西陽が一切当たらず真夏は午後2時にすっかり日陰になるという、園芸にはもってこいの好立地でもあったのです。

『地中深くまで四方八方に広がった地下茎四天王の根っこを全て撲滅し、
岩や石ころを完全に取り除くことが出来れば園芸の幅が広がる。』

アパート暮らしを辞め実家に戻って以来、うずうずと考えていたことを決行することにしました。

途方もない開拓が今ここに始まる。
明治の北海道開拓史を思い出せ。
ゴールデンカムイだ!!

ということで、
シャベル、ふるい、ねじり鎌の三種の神器のみを使って、ただひたすらに掘ってはふるいにかけるという地味作業を開始。
たかだか約30㎡のこの庭。最低でも50㎝は掘り上げて満遍なく手作業でふるいにかけろ!

これが三種の神器だ!

この時の注意点として、四天王の根っこは1㎝たりとも残してはいけません。
こいつらはアメーバのように根から増殖するからです。
鍬などでダイナミックに耕すと切れた根を土に混ぜ込んでしまうため厳禁です。大惨事になるぞ。

小さなシャベル1杯の土を確実にふるいにかけ、目視で根っこを取り除く作業でございます。
朝から晩まで掘っても、1日でふるいにかけられる量はせいぜい30リットル。狂ってる。

根っこ発掘作業中

憎き宿敵ドクダミ、笹、スギナ、ミント。
これら四天王の息の根を完全に絶やさなければすぐに政権交代が起きてしまいます。
気分はもはやフランス革命後の王政復古。レ・ミゼラブルが頭の中で軽快に流れます。

これが地下茎四天王だ!

そして奇しくも時代はコロナ禍に突入。

『どこにも行けねえ!庭掘るしかやることがない!』
ということで、来る日も来る日も掘り続けました。

ラストスパート、まさに根こそぎ

結果、軽トラ約4台分の岩、石、根、ゴミが出土しました。
特に予想外だったのがゴミですよ。大昔、曾祖父の時代から庭で焼き続けたであろう家庭ゴミが地層となり大量に出てきたのです。
焼け残った鉄屑、薬瓶やファンタ缶、電池、陶器などが出土。
電池を焼くとか狂ってやがる。

その分、庭の土が相当量減ったので、最後に同量の堆肥や赤玉などの改良材を投入しました。
思わぬ散財。

こうしてこの壮大な土ふるい革命は、重度の腱鞘炎という代償とともに、半年がかりでようやく幕を閉じたのでした。

これ、業者委託では逆にできない作業であったと思います。
薬剤を使わずに地下茎四天王の息の根を完全に止めるには、ここまでする以外に方法はないでしょう。(おそらく)

あれから3年、四天王トップのしつこさを誇るドクダミがド根性でたまーにヒョロっと顔をだすことがありますが、都度駆逐していますので問題なく現状維持できています。

快適な土壌になったおかげで園芸の幅がグッと広がりました。

駆逐後の春
やればできるもんだ

今年もたくさんの球根をねじ込みました。満開の春を待つのみです。

ねじ込まれたヤシンス

以上、三種の園芸神器vs地下茎四天王のお話でした。



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