アイデアの「ア」#4 ラムダン・トゥアミの発想
(#3 パナソニックのノベルティはこちら)
Bonsoir! 先日うれしいことがありました。自分のために始めたマガジンだったけど、ゼミの仲間に「読んでます、いいですねあれ」と言ってもらえたのだ〜!! 1人の励ましでもマジで活力になります......そしてこれに限らずなんでも感想を言ってくれる彼の律儀さをめちゃくちゃ見習っている
4回目は化粧品や美容グッズを扱うフランスのブランド「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(OFFICINE UNIVERSELLE BULY)」(以下、ビュリー)を手がけているラムダン・トゥアミ(以下、トゥアミ)のインタビュー記事から。
察しの通りネタ探しがえらい大変で、もう発想法や考え方について語られた記事とかまで対象を広げちゃうことにする。これから書くのは、記事の構成とかが面白いということではなく、ラムダン・トゥアミが言ってること自体が面白いという話です!
30年先の顧客体験まで見据える
まずビュリーがどんな店なのか、どれだけすごいのかは今紹介してる記事を読んでください。
ここからはビュリーについてみんな知ってるという前提で。まず、記事の中で印象的だった部分を引用します。
WWD:お店に来る人は何を目的に来ていると思うか?何を提供したい?
(中略)
僕らが作っているのはただのお土産。でもせっかくのお土産なら、いいお土産になりたいと思っている。僕たちの商品のボトルはプラスチックを使っていなくて、全部ガラスで作っている。なぜガラスにしているのかというと、プラスチックは体によくないという前提があるのと、20年後、30年後にフリーマーケットで「『オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー』のボトルを見つけた!」と言ってほしいから。サステイナブルというより、モノにセカンドライフを与えたいという気持ち。
これ読んだとき、まずは「すげええ......」と思った。(語彙力)
わたしが長期スパンで物事を捉えるのが苦手な一寸先は闇系ニンゲンなのもあると思うけど、化粧品っていう消費財でここまでのビジョンを持ってるのかと。まあ化粧品なのに消費財ではなくお土産品にしよう、というポジショニングがその前段階にあるわけだけれども。
さらに、ビュリーはそのブランド自体は1803年からの歴史があるから、そのぶん未来を長いスパンで考えることが自然にできたのもある。でもつまりそれって、ビュリーのように長く愛されるブランドをこれから作ろうとするならば、数十年後、100年後の世の中で商品やブランドがどうそこに在りたいのか、というビジョンが何かしら必要ということなんだと思う。
それにしても、「20年後、30年後にフリーマーケットで「『オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー』のボトルを見つけた!」と言ってほしい」って、商品のビジョンとして素敵すぎやしませんか。「親子で受け継がれる云々」みたいなのはよく見るけど、つまり何をすればいいんだろうね? って感じだし。
まとめると、商品の一生や顧客体験は買われて使われて終わりではないということ。その想像力が強固なブランド力を支える一端なんだろうと考えさせられたインタビュー記事だった。
#5へ続く。
もしいただけるなら......都心までの交通費にさせてください......