6月13日(水)優しさをいっぱいに感じて
昨日、プノンペンの中央郵便局にわたし宛の荷物が届いたという連絡があった。1階がカフェになっているのでアパートまで届くかなと期待してみたけど、やはりカンボジアではまだ自分で郵便局まで取りに行かねばならないらしかった。がんばれインフラ。
荷物の中身は、現金が引き出せるクレジットカード。
これ以来のギリギリ生活から、やっと脱出だ。
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そもそも郵便局からの電話を取ってくれたのはアパートの管理人なのだが、その内容をわたしに伝えると、なんと一緒に郵便局へ付き添ってくれると言う。
彼は英語・クメール語・日本語の3か国語が話せてこれまでにもたくさん助けてもらったのだけれど、郵便局までついて来てくれるなんて、親切すぎやしないか。しかも、遠いからバイクに乗せて行くよ、とまで。
カンボジアの郵便局はちょっとした戦場のようだと噂に聞いていたので、ありがたくその提案をうけ、今日の朝に郵便局へ行き、帰りはオフィスまで送ってもらうことにした。
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郵便局に到着してみるとそれほど混んでもなく、荷物はアッサリと受け取ることができた。ひとりでも行けたかもしれないが、そのスムーズさも、電話で色々話してくれていた彼が取り計らってくれたものだったのかなとも思う。
そして、朝9時にはオフィスへ到着。道中でタイヤの空気を入れたり郵便局の駐車代がかかったりとお金まで使わせてしまったのに、「大丈夫です」と日本語で言い残して彼はアパートに戻っていった。
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母が送ってくれた荷物を開けると、クレジットカード以外に本が入っていた。1冊は、わたしが持ってくればよかったなと思った本。
初谷むいちゃんの、『花は泡、そこにいたって会いたいよ』という歌集。こちらへ来る少し前に出版されてバタバタと読んでしまったから、時間があるときにゆっくりと向き合いたいと思っていた。
特にわたしの心にじんわりときた歌があって、
春を抱く どこに行ってもきみの踏む土は土だよだいじょうぶだよ
出発前にわたしがこのページに貼っていた付箋を見つけて、また少しうれしくなった。
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そしてもう1冊は、母からのサプライズ。「まだ荷物入れられるから、なにかポエムを入れておくね」という予告だけは受けていたが...
枡野浩一さんの『石川くん』。これは、石川啄木の詩を歌人の枡野浩一さんが現代風に詠み変えながら「石川くん」へ手紙を書いていく、という内容の本。確かにポエムだけど。ジャパニーズポエムだけど。それにしてもなぜ母はこれを選んだのだろう。
東北から北海道へ移住した、という共通点があるといえばあるのだけど、何か思い入れがあるのかもしれないし、ただ表紙が可愛かったとかそういう理由だとしても納得してしまう。
そんな母の謎も含めて、今日は心があったかくなった日。また、これらの本については改めて別のnoteで書ければと思う。