You’re everyone's favorite person.
君がくれる愛や優しさや嬉しいこと。
一つずつ大切に並べて、どんなに嬉しくても
勝手に「特別」だなんて勘違いしないように。
大勢の「すき」のなかの一人
君にとって、あたしは
それ以上でも以下でもないと、言い聞かせる。
人の命が皆平等に大切なのと同じように
そんなの比べるものじゃないから、
大切な君にランク付けみたいなことさせたくないから
だけどどこかで、その「すき」が
ほんのすこし、特別なものであってほしいと
願ってしまう自分がいる。
たくさん手作りしたチョコレートのなかから
皆に同じ数だけ包むけれど、それと知られないよう
こっそりきれいなものを選ぶような、
そんなほんの小さな「特別」。
あたしの名前を呼ぶとき、甘くなるその声に自惚れてしまう。
たった一つ用意された特等席に手を引いて連れて行ってくれる。
それでも勝手に「特別」だなんて勘違いしないように。
君は人気者で、みんなの人気者で
みんなに平等に笑いかける君だから。
君を特別に思う人はきっとたくさんいて、
焦がれる人はたくさんいて。
たとえば翌週には違うコを同じ場所へ連れて行ったとしても、
あたしを呼ぶときの声は変わらず甘いといいな、なんて、
君があたしに向けてくれる言葉や行動に触れるたび
まだ、君の「すき」のなかに自分が居られていることに
そっと安心して、その関係がいつまでも続けばいいな、なんて。
独占欲とは、すこし違う。
優越感に浸りたい思いとも違う。
ただほんの小さな「特別」があったら嬉しいと
思ってしまうくらいには、
あたしにとって「君が」特別なんだと思う。
勝手に「特別」だなんて勘違いしないから、
こんなみっともない気持ちは、ちゃんとここにしまって
今までみたいに重すぎないくらいの
君にちゃんと伝わる程度のほんの小さな「特別」を
変わらず示してみせるから、
あたしにとって君は特別だと、君には自惚れていてほしいし
あたしのことを解ったように扱っていてほしい。