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11月、読書の記録

11月ももう終わりますね。今月の読書記録です。

風の万里 黎明の空 上・下|小野不由美

ここ数か月の楽しみとして、月に1.2冊ずつ十二国記シリーズを買い足して読んでいます。今月は『風の万里 黎明の空』。

これ昔読んだはずなのですが内容は全然覚えていませんでした。
上巻はとにかく辛い。主要キャラたちがひねくれていて、境遇も悲惨で、なんでそんなことに……と読んでてジリジリする。あぁこのかんじ『月の影 影の海』で習ったやつ、と思いながら読む。祥瓊の無知と傲慢さも鈴の卑屈さもわかるところがあるから自分に言われているみたいに刺さる。
下巻になってくるとすこしずつ光明が差してきて(辛い展開もやっぱりあるけど)、最後は爽快な結末! 陽子かっこよかった。

十二国記の読み直しをしていて感慨深いのは、どんな時代になっても年を重ねても環境が以前とかわっても、楽俊を素敵だと思う気持ちはかわらないものなんだなってこと。いつだって希望になる存在です、楽俊は。

後宮小説|酒見賢一

先日酒見先生の訃報を目にしたのを機にはじめて知ったのが『後宮小説』です。私の視野が狭くていままで存じ上げませんでした。

いま読み進めている十二国記などの中華風ファンタジーの先駆けということだったので、俄然興味が湧いて借りてきました。

出だしからインパクトのある書き出し。出てくる単語は十二国記と共通するのが多くて同じ系譜と分かります。読んでいると『後宮』ってこういう場所なんだよなと哲学されている感覚になります。生々しくも軽い。
途中「えぇこのひとって!?」と私は純粋に驚いたりしてのめりこんで読みました。壮大な中国史の一部を見た気になった読み終えたんですが、巻末にファンタジー大賞に選ばれた際の書評がついていて「えっ……これ、ファンタジー……?」としばし呆然としました。

「歴史を紐解く筆者」の視点で進んでいくのですっかり騙されました。すごい作品……!



11月は一家総インフルに見舞われて読めたのは3冊きりでした。
来月はもっと読めたらいいなぁ。


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