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アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック / メトロポリタン美術館
読書メモ: バリューマーチャント 「価値」で勝負するBtoBマーケター
マーケティングのコソ勉です。
バリュープロポジション(顧客提供価値)をいかに構築するかについての本はないものかと探しており、意外とこの手のジャンルには骨太な本が見つからなかったのですが、パラパラめくったらしっかりした本のようだったので期待して読み進めました。
BtoBマーケットで成功するには顧客価値管理というアプローチが必要であり、製品の適切な価値を実証し文書化することが成長のキーファクターになるのである、というコンセプトで書かれています。
ところがですね、これがつまらない。猛烈につまらない。なんでしょうねー、小学生でもわかるようなフツーのことが延々と書いてあるんですよ、けっこうアカデミックな感じで。
(価値f-価格f)>(価値a-価格a) (方程式2-1)
fは自社製品、aは競合製品を表す。(第2章 価値の概念化)
え、ええ。そりゃそうでしょうよ。わざわざ定式化することか? いちおうこれの発展形がのちに登場しますが、それも文章で書けば理解できるようなことです。
とにかくふつうのビジネスパーソン、マーケティングや営業に関わる人であれば「で?」ってなることが理路整然と書かれている印象なのですよ。
我慢して150ページくらいは読んだのですが、いい加減諦めて「誰が書いてんだこれ」と著者紹介をみたら、ケロッグ経営大学院特別教授・ロンドンビジネススクール教授、ペンシルベニア州立大特別研究員と錚々たるお歴々。日本人監修者たちもしっかりした経歴で、「どうしてこうなった」と後書きに目を通したところ、
さて、本書には隠れた文脈や前提条件があると思われる。
まず領域だが、次々と技術的なブレイクスルーがある領域ではなく、コモディティ化している領域を前提にしていると思われる。(略)またサプライヤーが顧客と一緒に開発を行うような慣行の業界はそれほど想定されておらず(略)伝統的な関係性の中でのBtoBのセールスとマーケティングが想定されていると思われる。(監修者あとがき)
あ、そうですよね。当たり前のことしか書いてないと思った。BtoBのコモディティを扱う会社なんて(以下自粛)。この後書きが本書の中でいちばん「ですよねー」となった箇所でした。ただ、ちょっとこの監修者の鳥山さんは文章がド下手ですからすこし勉強してください。
最初の期待値が高かったのでひさびさのがっかり本でした。