ついついディベート腰になってしまうあなたへ
"ディベート腰ってなんだ?"
このノートを開いてくださったあなたはこのように感じたのではないでしょうか。
喧嘩腰ではなく、ディベート腰はわたしの造語です。
喧嘩腰とまでは言わなくても、ディベート腰の人が多いな、と常日頃から感じています。
今日という日を生産性のあるものに、あなたとあなたが所属する組織が少しでも生産的に変わっていくために、わたしの気づきをお伝えします。
ディベート腰
「ディベートとは、公的な主題について異なる立場に分かれ議論すること」だそうです(Wikipediaより)。
お互いに議論を戦わせ、どちらの意見がより正しいかをオーディエンスが判断するという競技です。
ここで重要なのが、自分の立場が正しいことを証明することが目的である、ということです。
その意見が本当に正しいのかは問題ではなく、いかに相手より説得力のある論理を展開できるかが求められるのです。
わたしがディベート腰とよんでいる姿勢は、このように自分の立場の正しさを主張している状態です。
暴力や圧力で自分の意見を押し通そうとする喧嘩腰とまでは言わなくても、自分の意見の正当性を疑わず、これを証明するために躍起になってしまう。
このような状態は誰しも起こりうることです。
生産的なディスカッションをしよう
本来、会議や話し合いの目的はなんでしょうか。
それは組織の意志を決定することです。
そして組織の構成員の意見がはじめから満場一致することはまずありません。
組織としてどのような選択がベストであるのか、これをお互いの意見をすり合わせながら模索していくプロセスがディスカッションです。
もし、ディベート腰で会議に参加していたらどうなるでしょうか。
A案が正しいと信じて疑わない自分に対し、相手はB案が正しいと主張してきます。
自分のなかではA案が100%正しいので、B案が誤りであると相手に認めさせることが最終目的になります。
相手にとってもそっくり同じ状況です。
このとき、組織として何がベストな選択であるかなど、どうでもよくなってしまっているのです。
こんなにも非生産的で時間を浪費する会議はありません。
おまけに人間関係も悪くなります。
本来の目的を思い出しましょう。
自分が最初に支持したA案が採用されたからといって、必ずプラスになるわけではありません。
相手のB案と比較して吟味し、お互いの長所と短所を見比べてすり合わせる。
場合によっては折衷案を考える。
組織全員がこのような姿勢で話し合いに臨むことで、その時間が生産的で有意義なものになります。
なにより、お互いの納得感が深まるのでその後の関係も良好になります。
プライドに捕らわるのではなく、生産的なディスカッションを目指しましょう。
どうすればよいか
具体的に、どうすれば生産的なディスカッションが実現できるでしょうか。
それは、お互いのディベート腰を認識することから始まります。
あなたの意見がなかなか受け入れられないのは、あなたが自分の意見を信じて疑わないからです。
あなたが相手の意見を受け入れられないのも、あなたが自分の意見を信じて疑わないからです。
自分の意見を疑ってみましょう。
なぜ自分がその意見に至ったのか冷静に見つめなおしてみましょう。
客観的に自分の思考過程を振り返ることができれば、案外簡単にその間違いを見つけることが出来ます。
試験を解き終えた後の見直しで、どうせ合っているだろうという気持ちで間違いが見つけられるでしょうか。
他人のあら探しをするつもりでないと間違いに気づくことができません。
このような視点で自分の意見を見直してもなお間違いが見つからなければ、その信ぴょう性は高くなります。
お互いのディベート腰を認識し、生産的なディスカッションを目指す風土を醸成していくことが、個人および組織の成長につながるのだと確信しています。