【短歌】弾、打、弾
昨日はとあるイベントの舞台スタッフとして出陣いたしておりました。老若男女様々な人達が歌やダンスを披露して会場は盛り上がったが、その中でも心を打たれたのが和太鼓を中心とした演奏を披露した高校生たち。高校生とは思えない圧巻の演奏はもはやエンターテイメントと言っていい位のパフォーマンスだった。早朝、舞台裏にやって来た彼らは無邪気で純粋な目をした子供達。しかし、お揃いの黒い衣装を纏った彼らには並みならぬオーラを感じたのも確かだ。
演奏はラップ調の音楽から入った。大和魂を語るように紡がれるその歌詞に一気に会場が引き込まれていくのを感じる。人の背丈くらいありそうな大太鼓の前で大きく息を吸い込み、天に向かって振り上げられたバチが打ち込まれた刹那、その雷鳴のごとき響きに飛びあがるお年寄り。ちょっと心配した。そんなことお構いなしに彼らは激しく太鼓を打込む。太鼓から生まれた鼓動は波紋となって広がり、それは風となって体を突き抜けた。そこから伝わってくるのは若い魂だ。十代の燃えるような青き魂をバチに込めて力いっぱい太鼓にぶつけているのだ。それが太鼓を介して僕の心を揺さぶる。気が付けば涙が溢れそうになっていた。もう涙腺がゆるゆるで困る。なんとか周りに悟られないように堪えて心で思う存分泣いた。演奏が終わると惜しみない拍手が送られる。それは緞帳が降りても鳴りやまなかった。若いって素晴らしいなあ。全身で若いエネルギーを浴びて今週も乗り越えられそうです。
あなかしこ、あなかしこ。