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魚柄仁之助の生活防衛レシピ 第22回

魚柄仁之助の生活防衛レシピ 〜第二十二回 放っておけば本格出汁⁉~

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昆布と煮干しと椎茸の出汁を取っているところです。
沸騰寸前、アクが出始める直前で火を止めておしまい。
えっ!これでいーの?
「和食の出汁(だし)って むずかしいんでしょ?」
これまで何百回となく聞かれてきましたが、
何百回もお答えいたしました

ほっぱらかしゃ いいのだっ! …と

睡眠中(8時間) または 出勤中(8時間)、
放っておくだけで、本格の和出汁がとれる!
ダマされたと思って、やってみよー
美味しい出汁に使うのは
・昆布 ・煮干し ・干し椎茸
このん中の一つでいいのですが、今回は欲張って三つの出汁材で濃厚な複合出汁を取ります

【昆布+煮干し+椎茸+水の水出汁】
8時間放置しただけで「水出汁」がとれています

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瓶の水出汁を鍋に入れて沸騰直前まで加熱したのが冒頭の写真です。
この出汁は煮物や味噌汁はもとより、シチューなどに使えます。
要するに8時間水に浸しから加熱すれば、ぐつぐつ煮出さなくても美味しい出汁が取れるのです。
煮干しからは苦味が出ますから、煮干しは沸騰したら取り出しましょう。
昆布や椎茸は「具」として食べちゃいます。

【時間をさかのぼって、これが8時間前】
瓶に昆布+煮干し+椎茸+水を入れたところ

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昆布も煮干しも椎茸もまだ乾燥状態で縮こまって見えますね。
これが8時間経つと水を吸って前の写真のように膨らみます。
その間に、ウマミが水に溶けだしてゆきます。

これ、水を入れる前の乾物出汁材です
瓶に昆布+煮干し+椎茸を入れる

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見ての通り、買ってきた干し椎茸、煮干し、昆布を入れただけです。
「簡単便利」と言われている出汁パックってこれらを粉砕して使い捨てのパックに小分けしたものです。

【老舗の出汁わざを公開します】
私事でスマンですが、私の実家は1918年創業の和食専門店でした。
毎晩、三つの大鍋に、昆布、干し椎茸、煮干しと水を入れるのが日課でした。
朝になると昆布も煮干しも、椎茸も水を吸って膨らんでいました。
これを火にかけ、沸騰するまで加熱すれば、最高の出汁が取れるのです
この三種類の出汁を料理に応じてブレンドするんですね
    しかし
毎日の家庭料理でそこまで細かく使い分ける必要はありません。
そこで考案したのが三つの出汁材を瓶に入れる「一夜水出汁」の技でした。
料理を始める時にいきなり出汁材を鍋の水に放り込むより8時間ほど水に浸したほうが断然美味しくて臭みの無い出汁が取れます。
この水出汁は和食に限らず、洋食、中華にも使えますから和風ブイヨンってとこでしょね。

   でも、めんどくさい?
よく言われます、コレ。
いちいち昆布を使うのが面倒だから
つい、出汁パックを使っちゃうのよねー…と。

  じゃ、何がめんどうなのか?

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これが買ってきた昆布の写真です
日高昆布(一等とあるのはランクです)
袋の長さは30㎝位です。
昆布を使うたびに
1.袋から出し、
2.必要なだけ切り取り、
3.残りを袋に戻し、
4.湿気が来ないよう、袋をとじて
5.収納場所へしまう
毎食ごとにこんな手間、好きなひと…いないでしょ?
ここなんです!昆布で出汁を取るのがめんどう…の根拠は。

   そこであたしゃ考えた
・蓋を開けるだけで
・必要なだけの昆布が取り出せて、
・残りが湿らないよう密閉できて、
・その容器が目につくところに置いてあれば、
めんどうだから…の理由がなくなると思いませんか?
 その結果、こうなりましたの
 切って(折って)瓶に入れた昆布です

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いい出汁が出る昆布は分厚くて硬いものが多いですが、折り曲げるとパキッと折れやすい
折るのが大変なら、キッチンバサミで楽に切れます。
これは夜、お酒を呑みながら…テレビを見ながら…で充分できます。これ一瓶分切っておけば二人の食生活で一ヶ月くらい使えますから月に一度、ハサミでチョッキンすればOKなんですな
世間には〇〇産の昆布がいいとか、〇〇の煮干しが…○○の椎茸こそが本物で…と能書きに飛びつくおヒトもいらっしゃるでしょうが、いくら立派な乾物でも使いにくい保存方法ではやがて使わなくなる。
使わなきゃ高級食材も何もあったものじゃない。
良品質の食材を買う事が賢い消費者だという思い込みを捨てましょどんな品質の食材でも上手に使いこなせるのが賢い消費者なんです

出汁に使う昆布や椎茸、煮干しを買いに行く前に、それらをストックしておくための空き瓶を確保いたしましょう。
空瓶のリサイクルはいいことですが、昆布の保存瓶としてリユースしてからリサイクルに回してもいいんじゃない?

夜、おやすみ前に一瓶の水出汁をセットしましょ
(昆布だけ、煮干しだけでも構いません)
明日の煮物、炒め物、あらゆる料理の味が一ランク上がりますから
(高級な昆布などを使っても一回分の出汁費用は出汁パックより安くできます。コレ、30年取り続けたdataの裏付けアリ)

ついつい出汁パックを買ってしまう編集部Mです。水出しを沸騰させるだけなら時間を計って出汁パックを煮出すより楽ですね!
しかも老舗和食店も水出しをしているなんて味も間違いなしですね!
というわけで娘の離乳食の時に張り切ってかった昆布が余っていたため、さっそく試してみました~

まずは昆布、干しシイタケ、煮干しを使っていなかったポットへいれてお水もいれます(どうでもいいのですが…これ横にしてもだいじょぶなポットなんです!!)

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冷蔵庫で一晩… 

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しいたけは一つでも良かったかもしれません…

お鍋で煮出します!いい香り~~

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さてこのお出汁を何に使うか…と考えまして、和食以外でもOKとのことだったのでカレーに使ってみました!!

この日はアスパラと豚バラのカレー!!お出汁で煮込みます(アクすごい写真ですね・・・)

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出来上がり~‼ 味は…おいしーーー!いつものカレーよりもマイルドかつほんのり和風な香りも。カレーっていつも少し何か工夫をしたいなぁ~と思いつつ調味料を入れるぐらいしかできていませんでした。和風ブイヨンおすすめです!!

そして残った出汁は小腹を満たすお好み焼きに!!

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煮物にも汁物にも使わないというぜいたく使い!! お好み焼きも美味しくできました~(焼き上がり写真は失敗したので無しです)

とってもラクチン出汁なので我が家の汁物頻度があがりそうです!

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