映画人間失格を観て

人間失格は、もう十数年前から知っていて、何回も何回も観たし読んだのだが、今日観ていて思ったのが、どん底に落ちるまで、太宰自身は人間失格だなんて自分を思ってやしない、典型的な精神障害者だったんだなということだ。
いつも、精神障害者はふざけてヤバいやつとか呼ばれる。だが、本人はふざけて烙印を押した相手以上に、自分が異常者だとわかっているし、笑いながら冷や汗をかいている。
でも、なぜそうなのかわからず、無力感に囚われ、だんだんと人生にやけっぱちになっていく。
その典型型が、太宰治なのだ。だから、こんなにも心揺さぶられ、多くの人々に語り継がれる。
太宰はやはり、すごい人だ。当時偏見の目で見られた自分を、正当化する。その言い方で足りなければ、わからない自分を、わかるように表現する。
私もそうなってみたいと、思わずにはいられない。

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