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Photo by
aniwatanabe
生ひ優る花
その懐かしい名前を見たのは、Facebookの友達申請だった。幼稚園の頃、一番仲の良かったハナちゃん。17年ぶりのネット上での再会だった。
彼女の性は「佐藤」で、わたしの名前は「山本佳奈」。お互い、別に珍しくもない名前だ。おまけに、わたしはプロフィール写真も設定していない。よく申請してみようと思ってくれたなあ。人違いの可能性だってあったのに。
ハナちゃんはプロフィール写真を設定していた。昔の面影はあるにはあるけれど、輪郭が面長になり、かなりの美人になっていた。あの頃はよく日に焼けた肌をして、石油ストーブの上でプチパンケーキを温めて食べる悪戯っ子だったのに。
ハナちゃんの17年を、わたしは知らない。わたしの17年も、ハナちゃんは知らない。互いの歩んできた道は違うから、今もあの頃のように気が合うわけでは、きっとない。だけど、申請されてから4年が経った今も、彼女は「友達」としてそこにいる。
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