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「注文なんかいらない料理店」 18
滅多に後悔しないのですが、今日は後悔しました。
(ちなみに後悔しないのは、ミスや間違いがあったら非を全部受け止めるので「あの時ああしておけば」とは考えず悲しい感情に向き合うから)
昨日珍しくちょっといいお肉を買って、奥さんに「すき焼き作ってね」とお願いしました。
月曜日は休日というのと、刻んで煮込むだけだから負担が少ないかなと思ったのです。
しかし、最近味覚障害と思い込んでいる奥さんはうまく味付けできず「お父さんうまくいかない。もうだめだわ」と困惑してしまいました。
肉と焼き豆腐に味がなくて、「いいよ、大丈夫」と僕がフライパンに肉と焼き豆腐を移し、出汁を少しおとして醤油を足し炒めて味付けし鍋に戻しました。
炒めたフライパンに出汁を入れてフランベし、鍋に入れて一緒に加熱して味を整えました。
奥さんは「お父さんごめんなさい」と謝ります。
「いいよ。大丈夫。おいしいよ」といたわりました。
大体夕食を作るようになって2年にも満たない自分が、30年近く作ってくれている奥さんにこんなことをするのは思い上がりにも程があると思いました。
奥さんはとても神経質な人で、気になることがあるとずっと引きずるタイプです。
そのメンタルが悪作用してしまい、今までできていた料理がうまくいかなくなっているのです。
どうやって気持ちを換えたらいいのか、いつも褒めて励ましているものの、本人の不安は解消されません。
僕が料理をすることで奥さんの機会が減ってしまうのも問題なのかと悩ましくなります。
ねぇ、大丈夫なんだよ。
君は本当によくしてくれているんだから
だからね、ありがとう。