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「注文なんかいらない料理店」 2

今日はチンゲン菜と角麸としめじの謎牛すきを作りました。

実家ではすき焼きでは麸を入れていて僕は好きではなかったのですが、母方の実家や親族の家では角麸が入っていました。
名古屋市の南区が母方のかつての実家ですが、出自は三重県に遡るようで、どんな経緯で角麸を入れるようになったのかはわかりません。

角麸はもっちりした蒲鉾みたいな食感で味もよく滲みます。
しかし自分は他の料理で食べたことはほとんどありません。

久しぶりに角麸が食べたくなっていい加減な牛すきをでっち上げたのですが、奥さんは気に入らないらしく作っている端から文句たらたら。
あまりにしつこいので「じゃあ食うな!」と怒ってしまいました。
基本、感謝も感想も皆無な愛想知らずの家族ですが、文句だけは平気で言うので時折閉口してしまうのです。
僕はいつも感謝するのでそういう感覚はまるで理解できません。

料理は楽だなと思いました。
美味くても不味くても理由はおおよそわかります。
努力したら上手くはなります。

家族は何十年やっていてもうまくいかないところは変わることがありません。
理解できない人間と、一つ屋根の下で互いに「わからない人だな」と思いながら生きていくのです。

なるほど人生とはおかしなものです。
チャップリンの有名な言葉に「人生はクローズアップで見たら悲劇、ロングショットで見たら喜劇」というのがありますが、まあ今日はそんな感じでしたね。

おいしくいただきました。
ごちそうさま。

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