一蘭とインドカレー

逃げて逃げて、今がある。ブランドばかり身につけている浪人生の隣、新宿サンマルクカフェの端っこの方の席で、時間を持て余しています。高3の10月。   


嘗て好きになった男性と新宿に来た時に、このサンマルクを見上げて彼が、昔、よくあそこで塾とか学校サボってた笑と言っていたのを思い出した。別に真似をしたつもりはない。今日は英語の塾の、テストゼミなはず。なぜ私はここで屯しているのか。逃げて逃げて、今がある。     

先週は、体調が悪すぎて(言い訳なのかな)、4時間くらい寝た。そして今週は純粋にサボっている。結構高い塾の費用が、泡のように、溶けていく。
逃げて逃げて、今がある。好きな小説家さんが、エッセイの題名にしていたその言葉。見知らぬ誰かの言葉に、辛いくらい助けられる夜もある。

それにしても、お母さん、ごめん。             


早く、自分で自分を浪費できるように、この浪費を自分だけのものにしたい。他人のものである限り、罪悪感からは逃れられないから。           


 来年も再来年も、きっとその次もずっとずっと、逃げて逃げて、今がある。

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