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【管理職向け】突然の退職者を出さないために Part.2

前回はPart.1として「自身をふりかえる」をテーマに書かせていただきました。今回はその続きを見ていきましょう!

Part.2 『“管理職”という立場』

管理職の方は、部下の突然の退職についてどのような影響があるでしょうか?

◇ 部署の業務に影響する

どこの部署においても常に余剰な人員をかかえているわけではありませんので、能力の優劣は別として、一人でも欠けると業務のしわ寄せが他の部下にのしかかります。
退職に至った職員が若手もしくは社歴が浅い人物で、周りがカバーできる仕事であれば問題無いのですが、仕事の内容として、その人物でないとわからない業務であったり特別なスキル・経験が必要な業務であると、途端に業務が回らなくなります。
負荷の増えた部下は、それが続けば続く程に離職リスクが高まっていくので、その負荷の解消にも早期に着手しなくてはなりません。

対策としては、普段からリスク対策として業務配分を意識しておかなければなりません。離職以外にも病気・怪我、最近ですと介護休暇などでも一時的に離脱する社員が出てきますので、その際に誰かが必ず“ほぼ同等のレベル”で業務を引き継げる、もしくは一時的に代われる体制を整えておくべきでしょう。部署を守る管理職としては当然の措置であると思います。

稀に、この業務はこの人しかできないから…なんて話が聞こえてくる部署もありますが、それは色々な意味でリスクでしかないです。高度な技術や経験が無いとできない業務でなければ、誰か一人しかできない業務は作ってはいけません。

余談ですが、自分しかできない仕事を守り続ける職員が、男女問わずどこの組織にも一定数います。この仕事しかできないので、それを誰にも教えないし引き継がない人間のことです。このタイプはその業務に新しい進め方があっても導入せず、古いやり方しか行うことができません。このような職員は、給与と年齢だけ上がっていき仕事の質や量は一向に上がらない傾向にありますので、「これしかできない」という職員は、専門性が余程高い業務でない限りは配置転換などを行い循環させていくことが肝要です。

◇ 管理能力を疑われる

業務が回らず、万が一でも取引先や社内に対して不利益を出してしまった場合、当然ですが社内外の信用を損ねます。自身の上司や経営陣からの評価も下がってしまうでしょう。
また、管理職は自部署や部下を管理することが役割ですから、何人も部下がポロポロと辞めることが続けば、その管理能力を疑われて当然ですし、人員を補充する人事部からも嫌な顔をされること間違いなしですね笑
単純に出世に響きます!

◇ 対策として…

上記のようにならないためには、以下のアクションを日頃より自部署の部下と意識しておく必要があります。

  • 何でも相談される関係性(プライベートも含め)を構築

  • 日々の何気ない声がけを意識的に行う(表情をみる)

  • 定期的な面談(仕事・家庭などで悩みはないか)を実施

簡単に羅列してますが、「言うは易く行うは難し」です。

私自身も日々部下に声掛けをしていますし、何でも相談される関係性を目指していますが、本当に難しく感じています。一人一人が全く違う性格ですし、特に異性になるとその難易度が増し増しです笑

成功例としては、特に私から聞いていなくても自分の婚活話や友達・恋人・両親とのプライベートの話題を自然と話をしてくれた部下がいました。その部下は異性ですが、妙に話のテンポや仕事に対する考え方の感性が私と合っており、2〜3を話せば8〜9まで理解して対応してくれるので、安心して仕事を任せられて信頼関係を構築できていると感じ取れる部下でした。
この部下とは1年半くらいかけて関係性を築きましたが、結婚で退職する際に「これだけ色々と信頼して任せてくれる上司は今までいませんでした。感謝しています。」と温かいお手紙を頂きました。
上司として管理職として認めてもらえたような気がしました。非常に嬉しかったことを覚えています。

この部下の例はかなり出来すぎの結果ですが、実はこの例に大きなポイントが潜んでいました。

管理職ともなれば部下は一人や二人ではありませんので、より多くの職員に目を向けなければなりません。
私が大きな信頼関係を構築できたのはこの部下に対してですが、実はこの部下が多くの他の職員と信頼関係を構築しており、その結果「この人が信頼できるから、この人が信頼している上司(私)は信頼できる人なんだと思う」という思いがけぬ効果が生まれました。まさに棚ぼたです笑
そのおかげで、その部下を通じて間接的に他の部下の悩みや迷いを知ることができ、早めに声がけや面談を行うことができました。退職を未然に防げたことも何度もありました。

全ての人間と信頼関係を築くことは非常に難解です。そんなことができる人間はほぼ皆無と言っても過言ではありません。ですが、このように一部の信頼できる部下との関係性を作ることで、そこから拡大していくことも十分あり得ます。是非トライしてみてください!

まとめ

“管理職”という立場は本当に大変だと思います。生半可な気持ちでやっていると、逆に部下から総スカンをくらいます。管理しすぎも嫌がられます。
「なぜこれができないんだ!」「こんなこともできないのか!」なんて職場で言っていませんか?笑 思っても言葉に出してはダメですよ。
大切なことは『この職員にとってベストは何か?』です。その気持ちがあれば、叱責しても、褒めても、負荷を与えても、きっと上司の気持ちをわかってもらえます。

突然の退職を防ぐためには、とにかく「コミュニケーション」です!
部下に最適な環境を提供してあげることも管理職の責務だと私は考えています。最適な環境とは、物理的・空間的な環境だけを言っているのではなく、心理的な環境を整えることも非常に大切です。
社内いじめ、セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、上司・部下・同僚との人間関係、プライベート等、解決できる範囲というものがありますが、積極的なコミュニケーションの中から、部下が100%以上の能力を発揮し成長できるように関わりを持ち続けていくことが大事だと思います。

どうか、「実績を出せば何でも良い」という部署を作らないでください。
そこに“管理職としての価値”はありません。ただの牢獄の看守と同じです。


そして忘れないでください!

『この職員にとってベストは何か?』

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