見出し画像

【管理職向け】突然の退職者を出さないために Part.1

管理職の皆さんならば「◯月で退職させてください」という部下からの突然の退職意思表示に「えっ?」「◯月?無理無理!」「そんな急に⁉︎」と思ったことも一度や二度では無いと思います。
『いやいや、うちの部署は年間二桁が入職して、二桁が退職しますから気にしませんよ」なんていう特別な会社は置いておきましょう笑(これはこれで問題ですが…)

昨今IT化が進み、人の仕事がITに代替されていく世の中になっていくなんて話もありますが、まだまだ人材は「人財」です。事業の拡大・維持には一定の人数が必要になります。採用力の高い企業でも、その採用労力やコストを考えますと、極力退職者を出さない方がコストがかからないと思います。

では突然の退職者を出さないために、管理職の私たちはどうすれば良いのでしょうか…??

この『【管理職向け】突然の退職者を出さないために』は3部構成でお届けいたします。
以下の3つのポイントにてご案内いたします。
是非全てお読みいただき、皆さんの管理職ライフのお役に立てれば幸いです。また感想やご意見も頂戴できますと嬉しいです!

  1. 自身をかえりみる

  2. “管理職”という立場

  3. 個人面談

Part.1 『自身をふりかえる』

まずは自分自身が管理職として、退職を希望する職員の「退職の理由」にならないことが大事です。
退職理由で最も多いものは【上司との軋轢(あつれき)】です。

◇ パターン① 〜ハラスメント上司とは〜

無愛想な上司、暴言・非難が多い上司、差別する上司など、日常的にハラスメントをするような上司はわかりやすい例ですね。これは悪意のある行動が顕著です。
このような上司はそもそも突然の退職に驚くというより、それを聞いて「腹を立てる・怒鳴る・無視する・認めない・辞めさせたと喜ぶ・誰かに責任を押し付ける」という感じの対応をとりがちです。
指導という名の暴言や圧力、性別・学歴・従順度などで態度を変えて差別し、セクハラ・パワハラ・マタハラ・モラハラ…と数え上げたらキリがありません。その対象の方が明らかにつらい思いをすることを考えず、自分の考えが全て正しいと思っている上司にありがちな傾向ですね。

特に昨今多いと言われているものが『無自覚パワハラ』です。
上司本人は業務上で正当な指導をしているし、収入を上げなければ事業が傾くので部下に強くプレッシャーを与えます。その部下からすると正論を言われていますが、どのように業務に向き合えば良いかわからず、暗闇の中でもがいている状態かもしれません。上司はそれには一切気づかず「結果を出せ!」とさらに部下に厳しい言葉と頻回なアクションを投げかけます。

部下はどんどん追い込まれていきます。思考が上手く回りません。でも上司に追いかけられます。そのうち部下はネガティヴ思考のみが頭の中を支配するようになります。
次第に今まで普通にできていたこともできなくなってしまい、簡単なミスを連発するようになります。そしてそのミスも上司に責められます。これがループしてくると自戒の念しか生まれてこなくなり、自分を責め続ける日々となります。結果として、躁鬱病・統合失調症へ。ひどい場合は自傷行為にはしってしまい、今のこの苦しい現状から逃げ出したくなります。

普段から部下とのコミュニぇーションが薄く、日常の変化に気づかない上司は、“何か大きなことが起こってはじめて”事の重大さに気づくのです。
ある一例を挙げましたが、意外にどこでもあるような事例です。
実は私も経験したことがありますが、本当にツライ毎日でした。毎日「逃げることは正しいことなのか」と自問自答を繰り返しておりました。

意識的にわかりながら実行しているハラスメント上司は、単純に労働基準法・男女雇用機会均等法・労働施策総合推進法(パワーハラスメント防止措置)などの法令違反となり、事実確認があれば労働基準監督署などへ個人で訴えることが可能です。
ですので、思い当たる方は今すぐその行動を止めましょう!やられている側からはアクションを出せないケースがほとんどです。それにかこつけて気づくことができない場合は、大きな問題に発展してしまう可能性は否定できません。

これを読まれている方がもし上記のような対応を受けているのであれば、まずは社内の相談窓口や労働組合、もしくは他部署の管理職の方などへの相談をすることが良いでしょう。


◇ パターン② 〜管理職をやる覚悟の無い上司〜

自部署の業務を全く理解していない上司、やる気がなく仕事をしない上司、部下に無関心な上司、失敗を部下のせいにして責任を取らない上司などです。要するに、管理職を担う資格の無い上司たちのことを示しております。

皆さんの身近にもいませんか?「ごますり」と「ヨイショ」で出世できただけの無能な上司が。そんな上司に自分の将来に影響する『評価』を任せたくないですよね。

そんな上司に出会うと、私はTOKIOさんの「宙船(そらふね)」をよく思い出します。無能な上司に自分の将来を握られてたまるか!って思いながら、よく同僚と歌っておりましたね笑
   🎶おまえ〜が消えて喜ぶものに お前のオールを任せるな〜🎶
このフレーズが好きで、もはや持ち歌でした(笑)

自分が管理する部署の業務について経験・未経験を問わず、その業務・部署に対し責任を持って管理しているという姿勢が大切です。何も全て理解する必要はありません。わからないからと言って避けず、わからなくても関わり続けることが大切です。

部下からみると、何もわかろうとしない上司に何も相談しようとは思いません。信頼もありません。
その代償が上司に対する無関心くらいで済めばいいですが、熱意のある優秀な部下ほど不信感が大きくなり、自分の評価やその部署・企業の将来にまで不安を抱いてしまいます。その結果が退職につながるのです。
悩んできた本人にとっては“前向きな退職”になってしまうので、引き止めることも非常に困難になります。これが『優秀な人材ばかり辞めてしまう』というよく聞くフレーズの最も大きな理由であると私は考えます。

要するに、優秀な人材を管理できていないので、優秀な人材はより良い環境を求めて自分の足で歩んで行ってしまうわけです。
ではどうしたら良いでしょうか?

優秀な人材には「あなたは優秀な社員だ」「これからの会社に必要な人材だ」としっかり伝えてください。それを踏まえて課題を与え、チャレンジさせて育てていく思考で接することを心がけてください。何か嫌なことがあっても、“上司が自分を気にかけてくれている”というその事実が、その人物を引き留めます。

ここで一つ勘違いしてはいけないことは「上司は万能ではない!」ということです。なんでもかんでも上司が悪い。上司の管理責任だ!という方も稀にいますが、必ずしも耳を傾ける必要はありません。取捨選択が必要です。
これを全て抱え込んでしまうと、あなたが逆に精神をやられます。

まとめ

部下の突然の退職を避けるためには、謙虚な気持ちを持って日頃より部下との接点を多く持つことが、管理職がまず初めに行うべき行動なのだと思います。
「部下とのコミュニケーション」に勝る離職対策はありません。
是非皆さんも意識的に取り組んでいただけたらと思います。

皆様のサポートは、将来に不安を感じる医療・介護業界の支えとなるコンサルタントとしての活動費に活用させていただきます。 よろしければサポートをお願いいたします!