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2024年9月15日 秋服にはまだ早い

本日、所用で街に出て、
その帰りに、お洋服をみようと思い立ちました。
いつも行くお店の系列店が、立ち寄った場所に入っているのを知っていたからです。
いつも行くお店というのは、
人並みにお金を稼げるようになってから、買い物に行くようになったインポートの服も取り扱っているアパレルショップです。
インポートの洋服だけでなく、そのアパレルショップのオリジナルブランドも取り扱っています。
オリジナルブランドでは、インポートより良心的なお値段で、流行りを取り入れた洋服をシーズンのごとに出しています。
「ちょっとしたパーティー」などと言うものにお目にかかったことはありませんが、
大人になると、友人とのお出かけで、ちょっとしたパーティーっぽい食事をとる、ということを選べます。
そういう際に着ていきたくなるちょっと品のいい洋服から、
仕事着に使えるストレッチの効いた黒のパンツまでを取り扱っているお気に入りのお店なのです。
いくつか系列店があり、それぞれの立地や客層によって品揃えは変えてある、と以前、店員さんに教えてもらいました。
ですから、いつも行く店ではないところに行くと新鮮な出会いがあり、出先で系列店がある場合は、のぞきに行くようにしているのです。
カレンダーでは9月半ば、もう秋服が入っているはずです。
もしかすると、冬服も置いてあるかも、と、
ウキウキしながら、店内に入りました。
店内には、素敵な洋服がずらりと並び、
ベルトやバックなどの小物も置いてあります。
「さあ、店内を巡って、試着するぞ」と意気込んだのですが、
そこから気持ちが盛り上がりません。
ハンガーにほんの少し触れますが、引き出して、体にあてて見ようと、思えないのです。
ハンガーにかかっているワンピースやトップスは、どれも素敵です。
どれもとても綺麗です。
でも、長袖、
そして、暗い色が多いのです。
目についた色は、黒、紺、緑です。
古い図書館の背表紙のようです。
店舗内のエアコンの効きがいまいちなのか、その色味が、妙に暑苦しく見えます。
明るい緑のワンピースが涼しげに見えるほどです。
店員さんは「今シーズンの流行色は、ブラウンです!」と微笑んで教えてくれました。
そう言われれば、先ほど目についた、黒、紺、緑の他に、茶色の服も結構あります。
それを聞いても、見つけても、「わー、ブラウン好きです!」とはなりませんでした。
むしろ、ギョッとしてしまったと言うか、
軽く身を引いてしまいました。
「暑!」という漢字が頭に浮かんだのです。
完全に、生理的な反応でした。
しかも、トレンチコートを見つけてしまいました。
黒の丈の長い、背面が凝ったデザインのトレンチコートです。
「トレンチコート?!トレンチコート??」と声が出そうになりました。
今日のような日にトレンチコートを見て胸をときめかせられるほどのファッショニスタに到底なれそうにありません。
見ているだけで、あまりにも暑苦しいのです。
トレンチコートがかかったハンガーをそっとラックに、戻しました。
重たい色は元々得意ではないのですが、
今日のような温度では、試着してみる気にもなりません。
接客しようとしている店員さんを断って店を出ました。

先ほど確認してみると、当地は今日も30度を、軽く超え、35度近くまで上がっていたようです。
昨日の予想では、最高気温が30度とのことだったので、半袖ですがやや分厚い生地の服を着ていたのです。これは、完全なる失敗でした。
運動もせず、ほぼ座っていただけなのに、汗をしっかりかいていました。
とても疲れてしまったのです。
そして、こういう暑さで、秋服を見ても全く楽しくはない、ということがわかりました。
どんなに素敵な服も、ただただ、暑苦しく重たく、うっとうしい分厚い布に見えるのです。
おそらく、ユニクロのエアリズムリラコ(さらさらした感覚になる素材のおしゃれステテコ)でも、眺めた方が、まだしも楽しかったでしょう。
汗をかいてもさらっと感じられる素材、
ひんやりとした感触のある素材のほうがまだ買いたくなりそうです。
そういえば、お店を探しながら、私は「アイスクリームが食べたい…」と考えていたのでした。
きっと、暑さにずいぶんやられていたのでしょう。

今のまま、気候が変わっていくとしたら、秋服という概念もなくなるような気がします。
おしゃれを楽しむ秋なんていうのは死語になるかもしれません。
アパレルショップも売り上げは厳しいだろう、と思います。
秋服を見るのは、もう少し涼しくなってから、
せめて30度を下回ってからの方が良さそうです。
でも、それって、いつになるのでしょう?
まさか、ものすごく先なのでしょうか…。
とにかく、今のところ「秋服にはまだ早い」ことだけは、確かです。
早く、涼しくなりますように。


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