2024年6月26日 家事という難敵
家事って本当に、永久に終わらない仕事です。
何をどこまでするかに終わりはなく、
始まり、スタートラインすら、人によるという厄介な仕事です。
「部屋が汚いから掃除する」ということであっても、「汚い」は千差万別あり、文化的、そして時代的に基準が色々あるはずです。
どの程度を「汚い」とするかは、現代においては、最終的には個人の判断に委ねられます。
最低限、不衛生でないようにすると規定したとしても、かなりの幅があることでしょう。
子どもがいるとか、闘病中で身体の弱い人がいるとか、なんでもかじる動物がいるなど、
それぞれの状況によっても、求めるレベルは異なるはずです。
個人的なことで言えば、掃除は苦手です。
そして掃除以上に、掃除の前段階、
「ものを捨てる」ことが得意ではありません。
特に、紙類を捨てるのが苦手です。
領収書を捨ててもよいものかひどく悩みますし、
紙袋をなかなか捨てられません。
最も苦手なのは、手紙や書類です。
手書きの手紙は相手の気持ちを踏みにじるようで捨てられませんし、
印刷してされた書類は何かの時に必要になるかも…と思って、心配で、なかなか捨てられません。
どれを残して、どれを捨てるべきなのか、判断がつがないのです。
特に、役所からくる手紙の捨てにくさときたら!
もし重要なものだったらどうしよう…とより捨てる決断が鈍ります。
ちゃんと読んで「大丈夫!」と思っても、後になって、必要になった時、現物が思い出せないかもと不安になるのです。
最近は、スマホで気軽に高解像度の写真を残せるようになったので、写真を撮って、捨てれば良いのですが、これがなかなか踏ん切れません。
実態、紙があるということが安心に感じてしまうのです。
そんな風に感じる世代も私たちくらいまでになるのだろうか…と思いつつ、
やっぱり、紙があるということが大事な気がしてしまうのです。
「あるということが大事」というのは、本や雑誌も同じです。
本や雑誌も捨てると決めるにはひどく時間がかかります。読んでもいない本も山積みにされています。
しけし、昨今の出版状況を見ると、
「捨ててもまた買える」とは思えないので、
以前ほど気軽に、本を処分ができなくなりました。kindleも利用していますが、書棚の本を全てkindleに変えるほどは信用していません。
やはり、好きな本は紙で持っておきたいのです。
これもそのうち、廃れていく気持ちなのだろう…と思いつつ、
紙の本を購入してしまいます。
モノを捨てることを教えとする人たちが見ると、ひどく散らかっている部屋に住んでいると言われることでしょうが、
そこには自分なりのこだわりがあるのです。
家事が難しい仕事であるのはこういう、こだわりが潜んでいることです。
皆、それぞれ自分の心地よいラインやこだわりというものがあります。
一方で、SNSで見かける家事についての投稿や動画のほとんどは「できる」人のものであって、
できない人にとってはあまりにも高レベルです。
現実に、仕事をしながら取り組める家事というのは
最低限のラインであって、
自分のこだわりにも、SNSで見かける他人の家事にも及ばないものである気がします。
あまりに不衛生、例えば虫が潜んでいるとか、
カビだらけというのはごめん被りたいという気持ちはありますし、
そうならないように取り組んでいますが、
人様に自慢できるような、家事というレベルには到達していない気がします。
その上、自分のための家事には給料が出ません
対価といえば、心地よさとか健康、世間体のような、ぼんやりとして計りにくいものばかりです。
やれた感じが薄いのです。
やってやったぞという感じが家事には薄いのです。
我々の脳はどこかまだ、採集狩猟的な部分があり、「獲物を得た!」感覚が薄い、家事は脳の喜びが薄いように感じます。
「給料」とか「素晴らしいものを得た」ということは自慢しやすいですが、
「家事をして自分を快適に保っている」ことを自慢する人は少なさそうです。
家事をやらないと生活は回らなかったり、生活の快適さは下がったりするわりに、
やる気が起きないのはきっとそのせいです。
今日はクイックルワイパーをかけるのに、
結構な時間と
沢山のお菓子を必要としました。
クイックルワイパーをかける時間の2倍の時間と、
2倍以上のカロリーが
必要だったのです。
割に合わない…家事というのは割に合わない難敵です。
もう少し、楽にならないものでしょうか。
どうしてAIは絵を描いたり、文章を作ったり、質問に答えたりしてくれるのに、
家事という難敵に取り組んでくれないのでしょう。
画面に書類を見せたら、「捨てて大丈夫」とか「保存」とかの判定を出すくらいはできそうなのに…などと思ってしまいます。
はやくそういう時代にならないかしら…。
多分、今日は特に家事に気分が乗らない日というだけなのかもしれません。
それでも、それくらいに進化して欲しいものです。