ベトナムへ | 初めての海外旅行でインドへ行く⑦
3月27日(水)
ムンバイの空港に着き、搭乗手続きを踏む。検閲では何かが引っかかっり呼び出されたが、かばんの中身を見せると特に問題ないとのことでパスポート番号だけ記録され外に出された。インドもベトナムも検閲前は厳しいくせに実際の荷物検査は穴だらけで適当だった。カバンの中に飲みかけのペットボトルを入れたままだったり、スパイスが入っていたり、洋服のポケットにルピー硬貨が入っていても問題なくゲートを通れた。
ベトジェットで0:15にムンバイを立ち6:40にホーチミンにあるタンソンニャット空港に降り立った。ホーチミンはムンバイよりも蒸し暑かった。気温は34℃あり、これから帰る東京よりも18℃も気温が高い。次の飛行機は17:20発なので一度空港を出てベトナムの街や市場を見ることにした。
インドから来るとベトナムはものすごく都会に感じた。整備された道とビル、清潔感のある見た目をした人たちは顔つきも少し日本に似ている。しかし地べたに平気で座る感じや集団で席を占領するところにはなんとなく違いを感じる。一概には言えないがギャラリーのバイトをしていて絵を買いに来る中国人のほとんどは日本に値段交渉の文化がないことを知った上で勢いに任せて自分の買いたい値段を主張してくる。上海の磯崎展でもフーチェンの押しの強さになんども負け、大変な思いをしているのを見た。その押しの強さというか、自分がやりたいことは押し通す、他人の迷惑は二の次(?)と言う感じの精神をたまに中国から東南アジアにかけての人たちから感じられることがある。インドは意外にも他人ファーストな風潮があり、他人のためにどれだけ親切に世話を焼けるか、と言うところに価値を感じている人も多いように感じる。(今の所見てきた感想なので本当のところは分からない)
ベンタイン市場はクローフォードマーケットの一部を超清潔にした感じの印象で、値段はとても高く、今まで見てきた市場と比べると観光地化されすぎていたので早めに出てタイビン市場へ向かった。こちらの市場は清潔感がある地元の市場という感じで、生鮮食品や生活雑貨が並んでいた。雑貨や服は日本で見たことのあるブランドやメーカーのものが多くより親近感が感じられた。しかしほとんど睡眠を取れていなかったこともあり、この辺りで私たちはダウンし、道端で買ったジュースを持って公園で休憩し、結局早めに空港へ戻った。空港には無料のシャワー室がある。3時間ほど前に空港手続きをしてシャワーを浴びた。今までホテルはシャワーから水しか出なかったので、やっと暖かいシャワーを浴びられる、、と思ったらこの空港のシャワーも水しか出ず、がっかりしてしまった。しかも個室には荷物置き場等がないため、どう頑張っても荷物や靴が濡れてしまう。仕方なく半分荷物や靴が濡れた状態でシャワー室を後にしバインミーを買い、待合室で髪を乾かしてベトジェットに乗った。
ベトジェットで4回目の機内音楽を聴き、さすがに歌えるまでになってしまった題名も分からないベトナムソングについて調べた。耳に残りやすい独特なポップソングで、インドを歩いている時もたまに頭から離れなくなって困っていたいくつかの曲をshazamで調べる。ベトナムの曲なのに私たちにとってはインド旅行の代表ソングとなってしまっていた。
東京に降り立った時、均質なビルが永遠に並ぶ光景に、帰ってきたと言うよりはまた別の異国に来てしまったような感覚になった。やはり日本は都会だった。そして道にゴミが落ちていない。道路は今ならそのまま寝転がれるくらい綺麗に感じる。日本の悪いところばかり見えてしまっていたが、羽田に戻ってきて初めて日本の良いところが顕著に感じられ、改めてここに住んでいることがちょっと嬉しくなったりした。税関のところまで来て、日本語の表札と日本人の誘導人、日本人観光客を見るとこれ以上ないくらい安心する。そして言葉が読める、何を言ってるかが分かる、聞きたいことを聞ける、と言う状況に感動した。言語の壁は思ったよりも厚かった。インドはまだ英語を話せる人がいたからなんとかなったが、これが現地の公用語しか喋れない人たちの国に行った時、空港や駅、ホテルでどうやってコミュニケーションを取れば良いのか今は全く想像ができない。
空港のコンビニで夕飯を買い、ロビーで2時間ほど過ごした後、始発のモノレールに乗り自宅へ向かった。