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大学授業一歩前(第99講)
はじめに
今回は予備校講師の田中健一先生に記事を寄稿して頂きました。先生ご自身も英語に関する情報発信をnoteでしてらっしゃるので、そちらも是非ご覧くださいませ。
プロフィール
Q:ご自身のプロフィールを教えて下さい。
A:現在は予備校で英語を教えています。以前は数学や物理,現社・倫理・政経を教えていました。高校で世界史を教えていたこともありますね。これだけ色々とやっている予備校講師はあまりいないとおもいます。大学は大阪大学文学部で西洋史を専攻していました。35歳くらいで名古屋大学文学部(言語学)に3年次編入しましたが,仕事との両立に失敗して中退しました。
オススメの過ごし方
Q:大学生にオススメの過ごし方を教えて下さい。
A:私はバイトとテレビゲームに明け暮れていて,声優の関智一さんや水樹奈々さんにインタビューするなどそれはそれで充実していたのですが,今になって思うともっと勉強しておくべきだったなと思います。あ,競馬にもハマっていました。どうしようもない学生でしたね。川北稔先生や鷲田清一先生の講義を受け,その気になれば相談にも行ける贅沢な環境だったのに…。ただ,後悔しているかと問われたら難しいですね。あの頃の無茶苦茶な生活があったからこそ今の自分があるような気もしています。自分がその時,その場でやりたいと思ったことをするのがいいのではないでしょうか。周囲に流されるのではなく,ね。
必須の能力
Q:大学生に必須の能力を教えて下さい。
A:(なんであんなに勉強しなかったのだろうか)と思い返すと,専門書や論文を読んでも全然理解できなくて嫌になっていたからだと思います。この意味では,文献を読む能力が必要不可欠なんでしょうね。それがあれば卒論をちゃんと書けて,留年もしなかったでしょうし。ひょっとすると先生に相談に行っていれば違っていたのかもしれません。この点で,先生に相談する勇気も必要かもしれません。
学ぶ意義
Q:ご自身にとっての学び意義はどのようなものでしょうか。
A:(勉強していてよかったことって何かあるかなあ)としばらく考えてみたのですが,それを「共通言語」として交流できる人がたくさんできたことくらいですかね。まあ,これはスポーツでも趣味でも可能なことですね。本当に,なんで勉強するんでしょうね。明日死ぬかもしれないのに。勉強の意味を探すために勉強するのかもしれないし,他にすることがないからするのかもしれないですね。
オススメの一冊
Q:大学生にオススメの一冊を教えて下さい。
A:風間八宏『伝わる技術 力を引き出すコミュニケーション』(講談社現代新書)ですね。風間氏は独特の感性と言葉遣い,方法論で有名なサッカー指導者です。本来はビジネス書なんでしょうが,発想の転換がびっくりするレベルで,読む人それぞれが抱える問題を解決するヒントが得られると思います。
メッセージ
Q:最後に大学生へのメッセージをお願いします。
A:ここまでお読みいただいた方がいたとしても(こいつから学ぶことなんてないや)とお思いでしょうから特に伝えたいことはないのですが,皆さんより年齢が上の分ちょっとだけ経験が多いでしょうから言わせていただくと,自分から動けば世界が広がるかもしれない,世界を変えるには自分が一歩目を踏み出すほうがいい,こんなところですかね。
おわりに
今回は予備校講師の田中健一先生に記事を寄稿して頂きました。お忙しい中作成して頂きありがとうございました。実は、先生は最近話題のとある本の火付け役だったので、ちょっとご紹介いたします。
👆は岩波新書の『伝わる英語表現法』という名著について先生がお書きになった記事になります。英語講師がうなる英語の新書、私も早速読んでみたいと思います。また、以前岩波新書様に書いて頂いたnoteは👇になります。
遂に第99講まで来ました。寄稿して頂いた先生方、お読み頂いている読者の皆様本当にありがとうございます。次回もお楽しみに!!