ACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)って何?
ACT(「アクト」と読みます)とは、アクセプタンス&コミットメントセラピーの略で、行動分析学やマインドフルネスに基づいた心理療法の一種で、新しい世代の認知行動療法の一つとして注目されています。
名前がシンプルなのは良いのですが、短すぎて検索がしづらいのがたまに傷です。
現在では、医学分野だけでなく、ビジネスやスポーツ・教育分野でも応用されていて、成果を上げていて、精神的に問題を抱えている人のみならず、一般の人のパフォーマンスの向上や幸福度の向上などにも役に立つ心理手法と言われています。
なので、会社で成果を出したいビジネスマンやスポーツのアスリート、また一般の人たちにとっても学んでおく価値のある手法だといえるでしょう。
ACTはアメリカにあるネバダ大学リノ校教授のスティーブン・ヘイズ(Steven C. Heyes)と共同開発者のケリー・ウィルソン(Kelly G.Wilson)やカーク・ストローサル(Kirk D.Strosahl)により開発されました。
中でもスティーブン・ヘイズが研究を主導したため、創始者と位置づけられることが多いです。
これは1980年代のことです。
そこから実際に日本でも認識されるようになってきたのは2000年代に入ってからのことになります。
このようにACTは比較的新しい心理療法だということが分かるでしょう。
では、ACTとはどういったものなのか、なぜ注目されているのかについてより具体的に見ていきましょう。
ACTにおいて、最も重要視されているのはその言葉通り「行動」です。
ACTでは、どんなにその人の心理状態が良くなっても、実際に行動が変わらなければ治療的に成功だとは考えません。
むしろ、個人の感情や考え方を変えようとはせず、行動を変えていくことによって、その人の心理状態も付随して改善させていくというイメージです。
これはACTが徹底的行動主義をベースにしていることからも分かります。
では、なんでも良いから行動すれば良いのか?というともちろんそんなことはありません。
ACTでは価値に沿った行動を非常に重要視します。
価値とは「人間としてどのように行動したいかの深い欲求」のことです。
価値について話し始めると1冊の本ができてしまうくらい深い話なので、それについては別の機会に解説することにします。
価値は個人により様々ですが、その価値に沿って行動することが非常に重要なのです。
そしてこの価値に沿った行動をするときに我々を邪魔するのが感情や考えですよね。
「失敗したらどうしよう」「今日は気分が乗らないからやめておこう」といった考えや感情が邪魔をして行動ができないことが多いと思います。
特に心理的に落ち込んでいる状態の時、人はなかなか行動できません。
そのため、ACTでは行動をするときにでてくるこういった感情や考えをアクセプトすることも重要視しています。
ACTのA(アクセプタンス)の部分ですね。
具体的には、思考と戦ったりコントロールしようとせず、それらを受け入れるということです。
そのために様々なテクニックを使っていくのですが、それについてはまた別の機会に解説していきます。
このようにACTは「価値に沿った行動(コミットメント)」「アクセプタンス」などを高めていくことで、個々人の人生をより豊かで有意義なものしていこうという心理手法なのです。
実際に使ってみるとわかると思いますが人生変わる人も多いのではと思います。
私もこの考え方を子供の頃から身につけていれば、今頃は…と考えたりします笑
ただ、少なくとも今この心理手法を学べたことは幸運だと思って、今後の人生でどんどん「行動」していきたいなと思っています。
以上、ACTのかいつまんだ解説でした。
ではまた。