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子ども達にも的確な「7つの休息」を
「疲れた、疲れた」
自分達が子ども時代も、こんなに口にしていたのでしょうか。
ここ10数年程の間、生徒の口から「疲れた」と聞く頻度が高くなったように感じていました。
私の「7つの休息」の使い方を下にまとめました。学校・塾など、子ども達と多くの時間を過ごす方、保護者の皆さんのご参考までに。
忙しい子ども達
選択が増えた今の時代。
楽しいことオンディマンド、いつでもどこでもアクセス可能。
学校の宿題もあるし、プラス習い事、塾、なかなか忙しいよね。
To do listとやりたいことで1日を詰めていったら、やることいっぱい。睡眠時間だって遅くなるでしょう。
学校で子どもの様子が不安定な時
「あれ?」
様子がいつもと違うねえ…
授業中、生徒の様子が気になる時があったりします。
最近ため息が増えたね。
いつもの覇気が感じられない。
クラスメートとの対応、めんどくさそうね。
そんな時も「7つの休息」をガイドラインにしつつ、お話しする時間を持ちます。「7つの休息」については、一つ前の記事でまとめました。👇
先ずいつでも「身体の休息」がとれているか、ここからチェック。
(私の子ども時代、朝の会で「朝ごはん食べなかった人」「トイレに行かなかった人」から「ハンカチを忘れた人」まで、担当生徒が前に立ち、健康管理・体調チェックをする時間があったけれど、今の小学校でもしているのかな?高学年になると、誰も聞いていない。斜に構えて正直に反応していなかったよなあ。質問の意義は素晴らしいと思うけれど、もっと違うアプローチの方がいいよね)。
無駄話の流れで子ども本人とお話ししたり、親御さんにお声をかけてみたり。
そこから話を膨らめ、調整ポイントを話し合います。
「7つの休息」のどのポイントを欲しているのか。参照するチェックポイントがあると、話し合いのポイントも明確。
学校の宿題と習い事の両立で、忙し過ぎた時期が続いていたのかもしれないね。身体を休める時間が必要なのか、思いっきり好きなことをする時間が欲しいのか。
学校が変わったばかりだと、まだ気持ちが落ち着かないのかもしれない。新しい環境では、気が付かないうちに体も心も絶えず緊張しています。
友達との関係が、不安定になっているのかもしれない。大人の介入が必要な状態なのか、状況判断。そこから、心許せる人と過ごす時間がもっと必要なのか、一定のグループから距離を取り、安心できる時間が必要なのか。
日本人の生徒からよく聞いたのは、
「他の国のクラスメートは遊んでいるだけ。羨ましい。もっと遊びたい!」という心の叫び!
分かるよ、分かるよ。子どもの叫びも、親御さんの気持ちもね。
(学校プラス、補習校や日本帰国後の準備で塾行ったり、毎日大変だよね。お疲れ様だよ。お父さん・お母さんも、先を考え色々と機会を与えてくれているんだよね。)
子ども達、なかなか大変な社会生活を送っています。こうやって、皆が忙しくなっているのが、社会現象?
早目に対応すれば、微調整で子どもの様子も落ち着きます。「7つの休息」が満たされない状態が長期化すると、子どもの感じるストレス値も高くなり、外に出てくるサインも顕著になります。
敏感な子ども達
子ども達の表現力や判断力は、まだ成長過程の初期段階。環境に対応するスキルもビギナー(大人だって簡単ではないスキル。子どもなら、ビギナーで当たり前!)。
どのように対応・対策をしたらよいのか分からず、敏感に反応します。
倦怠感、虚無感、無関心。
また逆に過敏になり、攻撃的になったりも。
お子さんによって、キャパシティーの大きさも違います。「限界のコップ」が早目にいっぱいになり、溢れ出てしまうケースもあります。
忙しすぎると、人はシャットダウンし始めます。
大人も子どももね。
不安感への対策は
シャットダウンが始まると周囲が見えずらくなり、中に中に入り込んでいく。不安感でいっぱいになる。自分を発することが減る。
Anxiety reduces creativity
不安感は、創造性を低下させる
👆ここで創造性は、何か特別作品を創り出す等大掛かりなことではなく、「自分が自分であること」と、私は解釈します。
不安な状態が続くと、人は自分らしさをなくします。
不安感を感じている時、喜怒哀楽の中から喜びと楽しみが減り、気持ちを適切に表現することが減っていきます。
忙し過ぎて自分がシャットダウンしそうな時、不安感を感じる時、対策として、上の引用の真逆をいきます。
Creativity reduces anxiety
創造性は、不安感を低下させる
「7つの休息」の1つ、「創造」の時間を意識して持ち、自分を力を養います。
創造の休息 – 美しいものや自然に触れたり、芸術に親しむ。創造力を回復させ、問題解決やアイデア発想にも役立つ。
私にとっては、自然豊かな場所に出かけることです。だからと言って、息子も同じだとは思いこんではいけないんですよね。
スクリーンは常に「悪」なのか?
「感覚の休息」でスクリーンから離れることも大切。
けれど、人によってはオンラインゲームは創造の休息にあたるのかもしれない。と、息子を見ていると感じます。
創造は、紙とペンからだけではありません。海を越えた友人と一緒に、スクリーン上で一緒に創り出す世界に夢中になっている様子の息子。「感覚」は疲れるかもしれません。けれど、代わりに蓄えているものも多いはず。
心許す友人とオンラインで時間を過ごすことは、感情の休息 や人間関係の休息 が養われる時間。
重要なのは、「7つの休息」各項目から蓄えられるエネルギー、どれが今枯渇していて、切望しているのか。
そう考えると、「感覚の休息」を目的にスクリーン禁止等、一概に制限してしまうのも危険。禁止したことで、他の項目の蓄えまで子どもから奪っていないのか?ここまで考えたい。
実際のケース:「授業態度改善」目的に、担任と親御さんだけで話し合い、罰としてスクリーンタイムを全面禁止。その後、お子さんのAnxietyが増加。
バランスよりもハーモニー
バランスの定義は、同じ配分をすること。
「7つの休息」それぞれの項目を同じ時間持たないといけないという訳ではありません。必要な項目を必要な時に補う。
だって人はそれぞれ違うからね。
常にバランスを取ることだけに重点を置いて生活を送るのは、これもストレスになります。
大人の役割は、子どもが発するハーモニーに耳を傾けること。それもさりげなく。
不調和音が聞こえたら、「7つの休息」どの項目が今必要なのか考える。
自分の状態を見極められるようになるのがゴール。
日頃から家族でお互いのニーズについて話し合い、不調和音が小さく聞こえた時点で自分で調整できるよう、練習をしていくきたいもの。