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ネット社会、集中力・記憶力・メンタルヘルスへの影響について考える。
ケーブルがリスにかじられ、インターネットがつながらなかった不便な日。
日々どれだけインターネット上で時間を費やしているのかに気が付き、愕然としました。
何か分からないことがあったら、リサーチ。
買い物のオーダー。人との連絡もインスタントに。時間のすき間が出来たから、時間潰し…等々。
Wi-Fi、つながっていない。
なのに、癖でスマートフォンに手が伸びる。
そして、「あ、そうだ!ネットつながっていないんだった。」と気が付く。
数回このパターンを繰り返しました。
インターネットが与えてくれる便利さに感謝すると共に、どれだけインターネットに依存しているのかも直面。
この四半世紀弱、デジタル社会に生きるようになった私達。そして、私達の子ども世代は、生まれてきた時から、デジタル社会で生きています。
よりデジタル化し続ける社会で、彼らはこれからずっと生きていきます。だからこそ、デジタル社会でバランスの取り方が重要。
スクリーンから意識して離れ「遊ぶ」時間を持つ重要性を、長い間学校の中で多くの子ども達を見てきた立場としても、母親としても痛感しています。
重要なのは、デジタル社会の恩恵を受けつつも、中毒性・危険性を理解して行動を選択するスキルを身に付けること。
デジタル社会が与えるメンタルヘルスへの影響を心理学者、教育者、医療関係者等が様々な切り口で説いています。最近気になったのは、Brain Coach(脳のコーチ)と紹介されていたJim Kwik/ジム・クイック。
脳トレーニングの専門家で、記憶力を高めたり、学習・習得の効率をあげ、スピードを速めたり、集中力を向上させるスペシャリスト。多くのハリウッド俳優や企業家、先端企業と協力し、潜在能力を引き出すサポートをしているそうです。
デジタル社会が私たちの記憶力や集中力に与える影響を、ジムは4Dで分かりやすくまとめていました。
1.デジタル認知症(Digital Dementia):
スマートフォンやコンピューターに頼りすぎることで、重要な情報を記憶する力が弱くなり、物事を忘れやすくなる現象。例えば、スマホに記録されているので、電話番号を覚えずに忘れてしまうようなことがこれに該当。
2.デジタル妨害(Digital Distraction):
常に通知が鳴ったり、複数のことを同時にこなすことで、集中力が分散してしまうこと。生産性や学習の妨げとなる。
3.デジタル情報過多(Digital Deluge):
日々、膨大な情報が私たちに流れ込むため、重要な情報をうまく処理したり記憶したりするのが困難に。
4.デジタル思考プロセスの欠如(Digital Deduction):
テクノロジーに頼りすぎて、思考力や問題解決力が低下。すぐに検索して答えを見つけようとすることで、考える力が鈍ってしまう。
納得するポイントが多いです。意図的にデジタル社会を生きているつもりでも、私自身4D の影響を感じます。
そこで憂うのが、よりデジタル社会で長く生活していくことになる子ども達。まだ発達途中で脳への影響がより大きいだろう彼ら。意識してデジタル社会での過ごし方を選択しないと、長期間この4Dの影響を受けていくわけです。
ジムのインタビューをいくつか聞いていたら、その後、もう1つDを足していました。
5.デジタル抑うつ(Digital Depression):
デジタル技術の普及やインターネットの使用が原因で引き起こされる精神的な不調や抑うつ状態。スマートフォンやSNSの利用が増えたことで、他人との比較や情報過多により、不安感やストレス増加。
集中力・記憶力に影響し、気持ちを不安定に揺るがす力もある、このインターネットでつながる世界。
ブラックホールのように深く限りない情報の世界に吸い込まれないように。
「便利な道具」のままにしておきたいものです。
Knowledge is potential power. Action is real power.
知識は力になる可能性。行動こそが、本当の力。