
オライリーのLEAN UX (第3版)から学んだこと_①考え方編
目次
そもそもlean(リーン)って?
lean(リーン)
ぜい肉の取れた、体が締まった、痩せた
ビジネス上では「リーン生産方式」などといった、
製造の工程から無駄を省いた生産方式
という使われ方をしている。
本の紹介

「Lean UX」とは、リーン思考のユーザー体験設計(UXデザイン)プロセスです。リーン・スタートアップやアジャイル開発の原則をUXデザインに適用し、短期間でユーザーにとって最適なデザインとプロダクトを導きだします。
本書は、プロトタイプを使った仮説の検証、MVPの構築、さらにユーザーからのフィードバックを効率的に得る方法などLean UXのプロセスを解説します。
今回の改訂では、ツールやメソッド、機能やイニシアチブなどプロダクト全体を視覚化する「Lean UXキャンバス」を紹介し、さまざまな職種がかかわるプロダクト開発で、チーム内のギャップを埋め、変化を的確に捉える方法を説明します。
以下、本の内容をざっくりまとめてみた。
1⃣ Lean UXの原則
組織と方針
中心メンバーは10人以下で、同じ場所で作業する
部門を横断し、各自が権限を持つ(例えば、エンジニアであってもユーザーと会話ができる等)
とにかく(モノを)つくる
細かい分析や大量のドキュメント作成よりも、とにかく形にすることが優先
ユーザーの課題を解決するのは中間成果物(ドキュメント)ではなくプロダクトやサービス
調査フェーズやデザインフェーズ、開発フェーズなどの「フェーズ」はただのプロセスステップであり、モノが完成する訳ではない
会議室から出て、ユーザーと対話する
モノの良し悪しを決めるのはチームではなくユーザー
ユーザーがモノを使っている理由を理解する
チームが一丸となる
個人のパフォーマンスではなくチームの連帯感を重視する
メンバー全員が共通理解を深め、継続的に仕事を進める
アイデアや考えは頭やPCに閉じ込めず、他者の眼に晒す
失敗を恐れず、許容する
アイデアを繰り返し実験することで成果へ繋がる
失敗を許容できる安心感が創造性を育む
アジャイルは仕事の速さではなく進め方
従来の「ウォーターフォール」のままスプリントを設定し、短い期間で素早く回すのではなく、ソフトウェアというメディアに適した方法=アジャイルを活用することで、より多くの価値を提供できる
※合わない場合は無理に適用するのではなく、より適した手法を用いる
2⃣ 成果
アウトプット思考からアウトカム思考へ
Lean UXの目標はドキュメントや機能などの成果物(アウトプット)を残すのではなく、顧客が望む成果(アウトカム)を生み出すこと
ロジックモデルとは?

Lean UXで用いている単語は「ロジックモデル」と呼ばれるモデルを基にしている
プログラム(事業、施策)の有効性の評価に使用される
影響(インパクト)とは?
企業にとっての最高レベルの目標
利益や顧客ロイヤルティだけでなく、組織の成長・拡大といったより大きく戦略的な目標も指す
成果(アウトカム)とは?
人間の行動変容による価値創造、つまり、行動が変化したことにより、誰がどこでどのような価値を得られているか?を理解する
影響(インパクト)の中間目標であり、複数の成果が相互に作用することで影響(インパクト)を生み出す
結果(アウトプット)ではなく、成果(アウトカム)を完了とする
動作しているか?要件や基準を満たしているか?はフィニッシュラインであり、「結果」に留まる
「成果」を評価するには価値の検証が必要
一度つくったら終わりではなく、「成果」が出るまでイテレーションを繰り返す
感じたこと
自身の仕事の進め方や考え方が、ウォーターフォールから抜け切れていないことを痛感した。
Leanの考え方は、「無駄を省くこと」=「●●をしないこと」ではなく、「どこに焦点を置くか」「何を優先するか」ということだと考えている。(本には「●●しない」という否定形はあまり使用されていなかった)
上記まとめにも書かれている通り、アジャイル開発というのは従来のウォーターフォールのまま期間を短くして素早く回すことと誤認してはいけない。所謂「なんちゃってアジャイル開発」になりかねないので注意したい。(ただただエンジニアの残業が多くなるだけ…)
疑問
チームメンバーが共通理解を深めるために必要なのがドキュメントではないのか?
アイデアの可視化はドキュメントに入らないの?
次回は②実践編へ続きます!