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カロリー爆弾!?スペイン・ソリア名物トレスノをトライ
前回はマドリードからそう遠くないカスティーリャ・イ・レオン州にあるソリア(Soria)の川沿いにある僧院を訪れました。
今回はソリアの名物料理、トレスノについてご紹介します。
スペイン料理のトレスノとは?
スペインの広い地域で食されるトレスノ(Torrezno)って知っていますか?ベーコンなどに使われる豚バラ肉の皮付きのものを油で揚げたもので、タパスとして、あるいは付け合わせとして食されるスペインを代表する料理です。
なんでもローマ人がイベリア半島を占領した際に持ち込んで以来、庶民に好まれている2000年以上も歴史のある食べ物だそう。
このトレスノは特にカスティーリャ・イ・レオン州のソリアのものが有名で、ソリアでは製造方法や品質が厳しく管理されているそうです。今回ソリアを訪れてみると、観光案内所のパンフレットにトレスノが食べれるお店のリストがあり、町を歩いていてもトレスノをあちこちに目にしました。
いかにもカロリーが高そうな品なので実は私も食べたことがなかったのですが、そこまで有名なら試さないわけにはいかないと思い、今回初めてトライしてみることにしました。
ソリアの町のー特産品店へ
ソリアの町を歩いていると地元の特産品を売るお店が何軒かあったので覗いてみました。外の看板に名物の写真が掲載されています。
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毎年トリュフ祭が行われているのは知っているのでトリュフが名産というのは知っていました。スペインの田舎町はチーズやソーセージ、ハチミツ、ワインなどのアルコール飲料などが名物なところが多いのでそれらは大して珍しくないので、それら以外ではいろいろな茸、パテ、トレスノ、バターなどが主なよう。バターは普通のバターの他に甘い砂糖の入ったバターがあり気になりました。
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お店に入ってみるとトリュフ関連のものがずらり。
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豚ロースのオイル漬けなんていうのも!豚の皮の部分だけ揚げたものもトレスノと呼ばれていて、スペインのスーパーには必ず売っている品です。
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そしてお店の冷蔵庫にトレスノがありました。揚げてないものがパックに入って売られています。このソリアのトレスノは全国の一部のスーパーで売っているようですが、普段あまり興味のない食べ物なので気が付きませんでした。
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特産品店では特に何も買いませんでしたが、いろいろ面白いものがあって楽しめました。
町のバルやレストランで提供するトレスノ
そして町を歩いているとバルやレストランの外にトレスノの写真が掲げられているところがチラホラ。
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こちらのお店も。なんでも世界一のトレスノを競うコンクールが毎年ソリアで行われているとのことで、このお店も賞を取っているそうです。
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予選はカスティーリャ・イ・レオン州内のいくつかの町だけでなく、マドリードやバレンシア、サラゴサなどでも行われているとのこと。トレスノは中南米でも食されるので世界一かどうかは疑問ですが、ここで賞を取ればスペイン一と言っても過言ではなさそう。ちなみに2024年の優勝者はサラゴサのCafe Chicagoというお店だそうです。
トレスノを食べた感想は?
賞を取っているお店はきちんとしたレストランでトレスノだけ食べるというわけにはいかなそうだったので、観光案内所のトレスノについてのパンフレットに載っていたMesón Castellanoというレストラン兼バルに行ってみました。寒かったので外には誰もいませんでしたが店内はほぼ満席でした。
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まだ午前中だったのでコーヒーとトレスノを。お酒のおつまみとして食べる人が多いらしいので、え?トレスノ?という顔をされましたが、目の前にあるトレスノをトングで取るとナイフでザクザク切っていきました。パンと細いポテトチップスを添えて。
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食べてみるとまだ温かかったので比較的最近調理したことが分かりました。面白いのが皮の部分はカリカリなのにそうでない部分は意外とジューシー。うま味が凝縮していて噛めば噛むほど美味しいです。
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カリカリで脂っこいものを想像していたので、思ったほど脂っこくなく「意外とイケる!」というのが正直な感想でした。
人気はダダ落ちのトレスノ
トレスノで気になるのはやはりカロリー。
特産物店で見たパックに入っているものは100gあたり500Kcalほど。さらそれを油で揚げたら… お店で食べたものは100gはいかずともそれに近いと思うので相当のカロリーだということが分かります。そもそも厚手のベーコンを揚げるなんて誰が考えたのでしょうか?
このトレスノは昔はかなり多くのスペイン人に好まれていたそうですが、やはり最近では健康志向の人も増えて提供するバルやレストランも減っているとのこと。
去年あたりにSNSで「トレスノは野菜よりヘルシー」という投稿が拡散し物議を醸したそうで、スペイン国営放送RTVは事実検証を行い、「それは嘘」という結論を出しています。
普通の人なら分かるような嘘ですが信じてしまう人も中にはいるのでしょう。
最後にソリアのトレスノの作り方をこちらのビデオでお届けします。見ているだけで胸焼けしそう。
結論を言えば、意外と美味しかったのでリピはありだなと思いますが食べすぎには注意です。スペインの内陸の方ではパエリア(バレンシア州発祥)などよりも身近な料理だと思うので機会があれば是非一度は試してみてください。