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バルセロナ郊外のお出かけスポット

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バルセロナ近郊のお出かけスポットを紹介します。
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ワイン生産で知られるペネデスのワイン博物館が楽しい

バルセロナのあるカタルーニャ州には合わせて12のワインの原産地呼称があります。その中でバルセロナから比較的近くにあるD.O.ペネデス。バルセロナのスーパーでも必ずあるワインです。今回はその中心となる町、ヴィラフランカ・デル・ペネデス(Vilafranca del Penedés)のワイン博物館、VINSEUMを訪れました。 バルセロナからヴィラフランカ・デル・ペネデスまでは近郊電車で1時間10分ほど。VINSEUMは旧市街の中心に構えます。 このVINSEUMは以前から訪

ガウディの時代にタイムスリップ、コロニア・グエルのモデルニスモ祭

前回バルセロナ郊外にあるガウディ作のコロニア・グエル教会を訪れる前に少しだけコロニア・グエルのコミュニティを歩きましたが、日が暮れてしまい全てを見ることはできませんでした。コロニアグエル教会についてはこちら。 その数週間後にコロニア・グエルでここカタルーニャ州独自のアールヌーヴォー、モデルニスモを祝ったモデルニスモ祭が開催されるということで行ってみました。バルセロナを含めモデルニスモ建築で知られる町では大抵毎年モデルニスモ祭が開催されます。 コロニア・グエルへコロニア・グ

数々のミュージックビデオに登場、リカルド・ボフィルのレトロな建築

スペインは近年バレンシア出身のサンティアゴ・カラトラバなど何人かの世界で活躍する建築家を輩出しています。その一人がバルセロナ出身のリカルド・ボフィル。2022年にコロナで亡くなるまで1,000以上ものプロジェクトを手掛けたといいます。 日本では東京銀座資生堂ビル、川崎ラゾーナ、ユナイテッドアローズ原宿本店、明治安田生命青山パラシオなどの建物があります。 2000年代の彼の作品は、バルセロナにあるWホテルに代表されるような総ガラス張りのシンプルでモダンな造り。 これに反し

ガウディの生家やモデル二ズモ建築が満載のレウスの街歩き

バルセロナから南西に110キロほどのところに位置するレウス。これまで建築家ムンタネーのペレ・マタ病院、ガウディ建築の博物館であるガウディ・センターを訪れました。 今回はそのレウスの町を歩きます。 レウスの歴史と現在レウスは12世紀に町が作られ、18世紀には繊維業と酒の醸造で急激に発展し、パルセロナに続いてカタルーニャ第2の街にまで成長しました。特に酒の醸造は「レウス、パリ、ロンドン」と言われるほど欧州では有名だったそう。19世紀の終わりにはベルモットの醸造を始めるようにな

スペインに根付くベルモット文化、レウスのベルモット博物館へ

ベルモットを定期的に飲んでいる人はいますか?日本ではあまり馴染みのないアルコール飲料かもしれませんが、スペインでは文化の一部として根付いています。 ベルモットとは?ベルモットは酒精強化ワインの一つ。酒精強化ワインとは、フォーティファイド・ワイン(fortified wine)とも呼ばれ、醸造過程でアルコール(酒精)を添加することでアルコール度数を高めたワインのことを意味します。ベルモットはヨモギなどのハーブやスパイスなどを配合し香りづけされた酒精強化ワインで、ベルモットの語

ガウディの故郷レウスのガウディ博物館で彼の建築に触れる

サグラダ・ファミリアなどの建築物で知られる建築家アントニ・ガウディはバルセロナから南西に110キロほど行ったところにあるレウス(Reus)で生まれ育ちました。 前回はそのレウスにあるガウディの師匠、リュイス・ドメネク・イ・ムンタネーが設計したペレ・マタ病院を訪れました。 レウスには残念ながらガウディによる建築はありませんが、ガウディの建築についての博物館「ガウディ・センター」があります。今回はこの博物館を訪れてみました。 1階には市の観光案内所が入っており、2階から上が

建築家ムンタネーの華やかな世界が広がるレウスのペレ・マタ病院

リュイス・ドメネク・イ・ムンタネー (Lluís Domènech i Montaner)というスペイン人建築家を知っていますか? バルセロナで世界遺産に登録されているサン・パウ病院とカタルーニャ音楽堂を設計した建築家と言えば分かる人も多いのではないでしょうか。 カタルーニャで独自に進化したアールヌーボー、カタルーニャ・モデルニスモを代表する建築家で、バルセロナ市内の建築学校の教授を務めガウディは彼の生徒でした。 ムンタネーの建築はバルセロナ市内に一番多くありますが、バ

ガウディの世界遺産:神秘的な夜のコロニア・グエル教会

バルセロナのスペイン広場から電車で20分強行ったところにあるコロニア・グエル。そこにあるコロニア・グエル教会の地下聖堂はガウディによる建築で世界遺産に登録されています。一般見学は昼間ですが、今回は夜の地下聖堂を訪れてみました。 コロニア・グエル教会とは?ガウディのパトロンと知られるエウゼビ・グエルが所有する繊維工場をバルセロナ市内から郊外のSanta Coloma de Cervellóに移転した際に、労働者のために住宅や学校などの公共施設を新工場前に建設し、これをコロニア

ダリの故郷フィゲレスへの行き方:高速鉄道?それとも在来線?

2回にわたってサルバドール・ダリの故郷、フィゲレスについてお伝えしました。 今回はそのフィゲレスへのバルセロナからの行き方です。フィゲレスのダリ劇場美術館を訪れる人はバルセロナのサンツ駅から高速鉄道で行く人が多いかと思います。 高速鉄道は確かに速いですが不便な点もいくつかあります。 所要時間:55分~57分 全席指定のため事前予約がベター、国鉄Renfeのウェブサイトで購入可 通勤時間の電車は売り切れのことが多い バルセロナはサンツ駅からのみ 時間帯や時期などに

サルバドール・ダリの故郷、フィゲレスを歩く

前回はバルセロナから日帰りでフィゲレスのダリ劇場美術館を訪れました。 今回はダリが生まれ育ち、晩年も住んだそのフィゲレスの町を歩きます。 ダリ劇場美術館だけを見てすぐ帰って来る人も多いかと思いますが、小さい町の割にはそこそこの見どころがあります。 そしてダリ芸術美術館のチケットがあれば、エンポルダ美術館(Museu de l'Empordà)は無料、カタルーニャ玩具博物館(Museu del Joguet de Catalunya)は3割引きで入場できます。観光局の担当

ダリ劇場美術館50周年記念でダリの世界にどっぷり浸る

サルバドール・ダリと言えば、スペインのカタルーニャ州が誇るシュールレアリスムで知られる画家。誰でもいくつか彼の絵を見たことがあると思います。 そしてカタルーニャ州の州都であるバルセロナでもサルバドール・ダリの肖像良く目にします。インパクトのある髭で有名なダリ。 そのダリは、バルセロナから北東に140キロ、フランスとの国境からは僅か40キロのところにあるフィゲレスという町の出身。 そのフィゲレスにはダリ自らが創設したダリ劇場美術館があります。1974年9月28日に創立して

スペインでイギリスが味わえるコスタ・ドラダのサロウ

バルセロナの南西、ローマ時代の世界遺産で知られるタラゴナから10キロほど行ったところにあるサロウ(Salou)。コスタ・ドラダという海岸に位置するビーチリゾート。 グーグルマップでみるとビックリする数のパブ、イギリス料理店やインド料理店があり、どうやらイギリス人に人気のビーチリゾートのよう。 イギリスで飛行機とホテルがセットになったパッケージツアーの人気No.1は日本人にはあまり知られていないスペイン・バレンシア州にあるベニドルム。まるでホノルル?というくらい高層ホテルが

フラワーカーペットと「踊る卵」で祝うカラフルなスペインの聖体祭

週末はバルセロナの郊外にあるシッチェス(Sitges)で聖体祭のお祝いに訪れてみました。 聖体祭は、ほかの宗教行事と同様に宗教行列や巨人人形のパレードなどもありますが、フラワーカーペットが作成され町が華やかになります。そのほかにもカタルーニャ州独自の「踊る卵」の展示もあり、今回はフラワーカーペットと「踊る卵」を目当てに行きました。 聖体祭とは?聖体祭(Corpus Christi)は 1246年から続くキリスト教のお祭りで、ベルギー・リエージュの聖ジュリアナと呼ばれる女性

タラゴナ郊外、素朴でキュートなアルタフヤの町あるき

世界遺産に登録されているスペイン・タラゴナのローマ遺跡群の一つ、ローマ時代のヴィラがあるアルタフヤ(Altafulla)。バルセロナからは普通電車で1時間20~30分ほど、タラゴナからはわずか10分ほどです。前回はアルタフヤにある世界遺産のローマ時代のヴィラについて書きました。 世界遺産の遺跡を見学したあとはアルタフヤのまち歩きです。 昔ながらの漁師の町の雰囲気まずはローマ遺跡からすぐの海岸線を歩いてみました。まだシーズン前なので空いていますが、短期レンタルのアパート物件