開いた口がふさがらない話 1・昭和の食卓
こんにちは。
noteでは歴史の話ばかりしておりますが、一応、歯科医師を生業としております。
子供の健全な発育を促すためには、お口の機能をしっかりと育む事が大切だと考えており、日々勉強中です。
ここでは、私が学んだり、実際に患者の保護者にアドバイスしたりしていることをお伝えできればと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
まずはじめに、上の画像をごらんになってみてください。
昭和初期の頃の食卓を描いた漫画やドラマや、実際の写真です。
現在の私たちの食事風景と比べてみると、何かが足りないのがおわかりいただけるでしょうか?
最近の時代を描いたアニメの食卓画像と比べてみるとわかりやすいかもしれません。
「昭和初期の食卓には水が出されていない」という事に
お気づきいただけましたでしょうか
外食などの食生活のスタイルの変化からなのか、最近では食卓には水が用意されています。
そのせいか、食事をよく噛んで飲み込む前に、水で流し込んではいませんか??
ただでさえ現代の食事は柔らかくて水分の多いのです。
しっかり噛んで唾液を出せば、食事中の水分は最小限で済むのです。
ガツガツと早食い大会のように、「流し込み食い」をするのは避けましょう。
現代のこどもたちは、明確に「噛む回数」が減っています。
本来、人類は食事の時間に1時間を費やし、4000回も噛んでいました。
ところが近年では食事の平均時間は10分、噛む回数は600回にも減っているのです。
体の中で使わない組織・筋肉が衰えていくのは必然です。
噛む回数が減るとどうなるでしょうか?
必然的に口の筋肉が衰えていきます。
その結果、最近の子供たちに起こっているのが「お口ポカン」です。
子供たちの顔をよく見てみてください。
常にお口が開いていませんか?
お口ポカンの子供たちが多すぎて、当たり前のように感じてしまいますが、これは社会問題とも言える緊急事態なのです。
次回、「お口ポカン」だと何がいけないのかをお話ししたいと思います。