#72 ハイブランドから得られる知識
「今はBALENCIAGAの時代」とファッション界では言われています。
確かにデムナ・ヴァザリアが就任してからの勢いは止まらず、多くのインフルエンサーが注目しているハイブランドの1つだと思います。
23SSを見ても分かる通り、代名詞的なビッグシルエットに混ざり、今シーズンはタイトなトップスにボリュームのあるボトムスを組み合わせたシルエットが多く提案されています。
サプライズだったのはモデルに起用されているのがYe(カニエ・ウェスト)だったことですね。
23SSのテーマは
「誰もが誰にでもなれることを認め、戦争をするのではなく愛し合いましょう」
見て分かるように煌びやかな世界とは正反対の泥にまみれたランウェイが固定の認識を打ち砕くことで、ラグジュアリーとは何かを考えさせられます。
この前のNoteで最後に書いておりますが、「本当に大切なのは、なんで人の心にその表現がフィットしたのかだと思ってます」と。
デザイナーのデムナ・ヴァザリアは何を思って、どんな背景があって、今のBALENCIAGAに落とし込んでいるのかを知るのが大切だと私は考えております。
1.デザイナーについて
デムナ・ヴァザリア(DEMNA GVASALIA)
1981年3月25日、旧ソビエト連邦のグルジア(ジョージア)に生まれる。
2001年、ドイツのデュッセルドルフへ家族とともに移住。
2006年、アントワープ王立芸術アカデミー、ファッションデザイン学科修士課程を卒業。
メゾンマルタンマルジェラ、ルイ・ヴィトンを経て、2014年、自身のブランド、ヴェトモンを立ち上げる。2015年、バレンシアガのアーティスティック・ディレクターに就任。2016年3月、同ブランドの初コレクションをパリで披露。
2.デザインの特徴
2-1.制服
ソ連で幼少期を過ごしたデムナは周りが同じ格好で過ごす多様性のない環境で過ごしました。いわゆる「制服」です。
そこに興味を持って考えていることが多いとインタビューで書かれています。
その理由は着ている制服を見れば、どんな意味を持つのか理解できるからだそう。
2-2.オーバーサイズ
デムナが立ち上げたブランド VETEMENTS でも見られるのは、オーバーサイズのデザインが特に多いです。
トレンドでなくストリートの世界で認められていたオーバーサイズを、ランウェイの世界へ登場させたことは革命的でした。
このオーバーサイズにも幼少期の記憶が関係しており、洋服を着れない子供たちが大人用の服をおさがりとして着ていたことから、リサイクルを考えた持続可能性を表現しているだそう。
2-3.ラグジュアリーストリート
元々BALENCIAGAはラグジュアリーなモード系を中心としたブランドでした。デムナはラグジュアリーにストリートというトレンドを作り出しました。
ストリートを取り入れることで若い層へのターゲットを広げました。
手の出しづらい印象から一転、高級感は演出しつつも取り入れやすいデザインが人気となっていきました。
その代名詞がコチラ。
今もなお毎シーズンデザイン変更を重ねてNew triple Sがリリースされていますが、こちらもロゴと同様に他のブランドに波及していきます。
3.原点はメゾンマルタンマルジェラ
マルジェラは、「再構築」「再定義」「古き良き」といったことをコンセプトに作り上げています。
これをBALENCIAGAにも投影させていると私は考えております。
さて、今後とも目が離せないブランドの1つであるBALENCIAGA。
デムナの行動にも着目していきたいですね。
さて、今回はここまで。
明日はUNCHAINで発売される目玉アイテムをご紹介させていただきます。
是非、お楽しみに。
では、本日も皆さんのお越しをお待ちしております。
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