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父への想い①

noteで、自分の過去を振り返る意味でも記事を書いていこうと思い、書きだしたのが今年の元旦。

それから6日後、父が倒れた。
病名は脳梗塞。
何とかステント手術で事なきを得たが、今は麻痺が残りリハビリ中である。

1月6日の朝、左手の麻痺に気づいた母がわたしを呼びに来た。
その左手を見た瞬間、「これはただことではない。」とすぐに分かった。
その時には呂律も酔ったようになっており、「とにかく病院へ」ということで救急外来へ。
元々、脳梗塞があり、血液をサラサラにする薬を常用していた。
そして半年に一度、脳のMRIを撮っていたのだが、その予約日の1週間前に突然発症。

今回ばかりは、本当に肝を冷やした。
緊急入院後の緊急手術。
予定よりも早くステント手術をすることになった。
そうでないと症状が進行し、悪化することが目に見えていたからだ。

入院して1週間はいつ病院に呼び出されるかと、本当にひやひやした。
今は症状は落ち着いているが、入院前と異なり、手も足もやせ細り、身体を思うように動かすこともできない。
誰かが介助しないと、食べることも動くこともできない。

入院前の面影はない。

それを見て、わたしはなんだか複雑な気分になった。

これまでの記事にも書いたが、わたしは子供の頃、父からひどい体罰を受けていた。
今でゆうところのDV。
それが原因で思春期に、不安障害や強迫性障害等の精神的な症状を発症している。

これに関してはこれまで、他人に対しそのことを口にしたことはほとんどない。
「人に話しても理解されない。」と思っていたからだ。

それをあえてnoteに書いているのは、このことについて自分の中で消化できていること、そして今ならばもっと客観的に整理できると思ったこと、本当の意味でのこころの浄化になるのでは?と考えたからだ。

少し前までは、この父との関係が常につきまとっていた。
なぜなら、過去のトラウマとして自分の心の中に存在していたからだ。

症状に悩んでいた当時、お世話になっていたカウンセラーの助言もあり、一旦は体罰はおさまったが、症状が出てしまった時には時すでに遅し。
しかも当時は、このトラウマを解消する術がなかった。

その為、ずっと心の傷として持ち続け、つい数年前まで私の中にあったのだ。

どこかでこのトラウマに向き合って、解消したい。
そんな思いで解消する方法を模索した。
最終的には「量子場調整®」が救いとなり、自分の父に対する想いも含め、過去のトラウマを解消することができた。

その過程で、いろいろなことを考えさせられた。

体罰を常態的に受けていた子供の頃、わたしは父に対して何を思っていたのか、考えてみたことがある。
記憶の中では、殴られたり蹴られたりといった場面が浮かぶのだか、その時の心情が印象になかったのだ。

反抗的な態度をしていた記憶はある。
だが、父に対して「嫌い」とか「憎い」といった感情は持っていなかった。
むしろ「怒り」だったかもしれない。それも本当に怒っているという感じではなく、「なぜすぐに手をあげるの?」といった理不尽さを嘆いている感じ。
いわゆる「悲しみ」だったのかもしれない。

それに気づいた時、思った。
どんなに手をあげられても、父のことを嫌いにはなれないのだと。
そして、父が憎くてわたしに手をあげているのではなく、本当に単純に短気の延長線上で手をあげる、という行為があったのだと。

後に母に聞いた話では、わたしが思春期に発症し、高校にもまともに通えなくなっていた時、父は仕事も手につかないほど心配したらしい。

正直それは意外であった。

元々子供が大好きで、他人の子供もあやしたりする性格。
今では孫(姪)にはでれでれで、本当に甘いおじいさん。
どんなに孫に毒を吐かれても、笑って怒りもしない。

ただ、子供の頃のわたしにだけは違った。
弟にも途中まで手をあげていたが、中学生になって体格が父よりも勝ってきてからは手をあげていない。
わたしからすれば、「ずるい。」の一言。
「なぜわたしだけ?」としか言いようがなかった。

それも、わたしに対する父の甘えだったのかもしれない。
そしてその一方で、子供ながらに「父がわたしを憎くて叩いているわけではない。」ということを、本能的に感じ取っていたのだろう。

そうでなくても恐らく、子供というものは親にひどいことをされたり、言われても、よっぽどでない限り憎めないのだと思う。
だからこそ、ひどいことをされても、誰かに助けを求められないこともあるのだ。

昨今のDV関係の報道を見ると、本当に内容がひどく、子供を死に至らしめることも多い。

もちろん、そのような類の体罰とは違うので、わたしはそれを何となく感じ取っていたのだろう。

改めて思い返すと、子供の頃の親に対する気持ちが、健気でいじらしくも思えるのだ。


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