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『夜明けのすべて』の自転車たち

『夜明けのすべて』をみてきた。すごくよかった。山添くんが自転車に乗るシーンがとても気持ちよさそうで印象的だったけど、その感じが最後の自転車でコンビニに行くシーンにまでつながっていて、この作品にとって自転車とはなんだったのか、ちょっと考えてみたくなった。

 プラネタリウムが重要な役割を果たす物語なのに、自転車で終わる。考えてみると、自転車は、自転する地球や、移動式のプラネタリウムなど、作中に出てく

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息づく日常の吹奏楽:『響け!ユーフォニアム』の感想文

息づく日常の吹奏楽:『響け!ユーフォニアム』の感想文

 『響け!ユーフォニアム』の1期、2期、「リズと青い鳥」、「誓いのフィナーレ」を見返した。まとめて感想が書けそうな気がしたので、書いてみる。

 まず、このシリーズのメインは音楽ではなく、人間ドラマだと思った。どの作品をみても、いますぐ吹奏楽をやってみたいとはあまり思わない。だから、管楽器を吹きたいと思っている自分には、ちょっと物足りなかった。けれど、2期から「リズ」へと進んでいくあたりで、印象が

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厨房の芸術家たち:『Artiste』の感想文

厨房の芸術家たち:『Artiste』の感想文

 さもえど太郎『Artiste』の9巻を読んだ。おもしろかった!

 読み終えてふと、そういえば、この作品にはいろんな芸術家が出てくるけど、孤独な芸術家、みたいな存在がぜんぜん出てこないな、と思った。

 物語の中心人物である料理人・ジルベールが働く「厨房」でも、彼をはじめ、さまざまな芸術家が生活する「アパルトマン」でも、芸術家たちはあたりまえのように交流しあい、刺激を与えあっている。

 この芸

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石川博品「あたらしくうつくしいことば」のノート

石川博品「あたらしくうつくしいことば」のノート

 最近、「表現者」とか「表現すること」がテーマの本をいろいろと読んでいて、その流れで手話を題材に表現の可能性を探求した青春小説「あたらしくうつくしいことば」を読んだ。そのまえに読んだ、同じ石川博品作品の『先生とそのお布団』のテーマが「小説家であり続けること」だとしたら、「あたらしくうつくしいことば」のテーマは、「小説を書くまで」だろうか。

 とてもよかったので、感じ考えたことをほんのちょっとだけ

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