まだ人生の十二月に達してはいないが……
憂うつだと感じるときにはいつも、「自分の人生はもう終わってしまった。いまさらなにをしても、手遅れだ……」と感じる。まだたくさんの時間がある、近所の子どもたちをうらやましく感じるのはそんなときだ。それなら、と憂うつでないときがどんなときかを考えると、「人生、まだ終わってないかもしれない」と思えるときで、そうするとどうやら、憂うつの感覚には、時間をどう感じるか、ということが関わってきそうだとわかる。
精神科医・木村敏の『時間と自己』という本では、憂うつが、「祭のあと」の時間