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うつと職業準備性ピラミッド

 前回「配慮」のお話をさせていただきました。
 とは言え、できないこと探しってとっても難しいです。できることを探すのはもっと難しかったりします。

 そこで探し方のひとつとしてご紹介したいのが「職業準備性ピラミッド」です。
 これはオープン就労の際、企業さんが大事にするポイントでもあるので就職したいなーと思っている方はそのあたりの視点から見てみるのもよろしいかと思います。
 勿論、就職なんてまだ先という方も自分のことを理解するのに使ってみてくださいね。


職業準備性ピラミッド?

継続した就労のためには、いろいろなスキルが必要です。それらのスキルを段階別に整理したものが、職業準備性ピラミッドです。この「職業準備性ピラミッド」、土台に近い部分ほど、安定して長く働き続けるために重要だといわれています。下から積み上げていくことで、就労に向けての準備が整っていくのです。

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 ……というものなのですが、なんのことかさっぱりわかりませんよね!
 そこでこちらの画像をお借りしてきました。

株式会社ユニークさま

 正直に言うと私の書くことなんかよりもこちらを読んでくださいと言いたいくらい、とてもわかりやすく書かれています。

 要は「健康」や「生活」がきちんと維持できないとどんなにお仕事ができても働き続けることは難しいですよ、というお話です。
 ですが、この維持することが大変に難しい。ここを分析して「配慮」に活かしていきましょうと。

「健康」と「生活」

 じゃあ具体的に「健康」とか「生活」ってどんなこと? と言いますと、こう書かれています。
 まずは「健康」の例から。

必要に応じて、通院や服薬ができる
食生活が整っており、必要な栄養がとれる
入浴や洗顔ができ、衛生的な生活が送れる
不調時には周囲に伝えたり、休んだりできる
自分の障害や特性をある程度理解できている
睡眠リズムが一定で、定刻に起床・就寝ができる

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 あと、「働くだけの体力」などもありますね。もう私、入浴とか洗顔のところでぐさぐさ来てますが。
 それでは「生活」の例も。

ひげをそる、適切な衣服を着るなど身だしなみが整っている
規則正しい生活を送り、遅刻や欠勤をせずに仕事ができる
ある程度の金銭管理ができ、浪費や借金をしない
生活に必要な書類や物の管理ができる
余暇を楽しく過ごせる

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「外出ができる」「交通機関が一人で使える」などもここに入ってくるようです。ちなみに私、浪費癖もあります。ぐさぐさ。

 いくつか例を挙げましたが、こういう基礎的なことができますか? というお話なのです。

 たとえば「どうしても服薬忘れちゃうんだよね」って場合は自衛としてお薬カレンダー(一週間分のおくすりを目に付くところに飾っておくものです)を使ったり、メモに書き留めたりする方法がありますが、配慮として一緒に暮らしている人に「薬飲んだ? って聞いてもらえる?」という方法もありますよね。スマホにスケジューリングするのも手です。

 この「健康」と「生活」がぐらついていると、いろんなことが辛いです。まずここから立て直せるように「自衛」と「配慮」を駆使していきましょう。

苦手でもいいんだよ

 規則正しい生活とか、正直、難しいですよね。
 だって、眠れないことは多いですし、そうしたら朝一定の時間に起きるのもしんどくなります。

 でも、だからって開き直っていたら前に進めないわけで。
 まずは「苦手」って認めてみましょう。苦手なんだよねーって認めるとじゃあなにか方法ないかな? って考えることもできます。

 私は相変わらずお風呂が苦手ですが、最近、ちょっとだけ入れるようになったんです(自慢)。
 何がきっかけかというと縮毛矯正でした。
 シャンプーしてもドライヤーぶわってかけるだけで髪がまとまる! 今まであんなに長い時間かけても髪の毛まとまらなかったのに!
 そうしたら不思議なことにお風呂入ってシャンプーするのが楽しくなっちゃって。私ってとても単純です。

「苦手」を自衛と配慮に分けて、自分でできる範囲は自分で頑張る、人にお願いするところは信頼してみる、そういうのも大事かなって思います。

 特に職業準備性ピラミッドの下位の部分に苦手がある人は、人より沢山の自衛と配慮が必要になってきます。
 でも、それを周囲に伝えることで楽になることもあると思うんです。

 三段目から上の部分は就職ががっつり視野に入ったときにまた考えればいいことかなと思っております。私は自分で言うのもなんですが、三段目より上はそれなりにしっかりしていたのですが、「健康」と「生活」がきちんとできていなかったので本当に苦労しました。

 なので、今、朝起きて、ご飯食べて、お薬飲んで、適度に運動して、夜寝る、ということをまずはできるかどうか、できなければどこができないのか分析してみましょう。どんな配慮があればできるのか考えてみましょう。

 とは言え、この「健康」の部分ができるようになってくるのも、病気がゆっくり回復に向かっている証拠。
 少しずつでいいんです。苦手でもいいんです。
「これはできないけど、こっちならできる」が少しずつ増えていけばいいですよね。

 

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さとう綾子
趣味で書いているので、サポートは不要です。お気持ちだけいただくことに致しますね。