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つい後回しにして、忘れてしまう人
こんにちは。株式会社タイシン工業の櫻田です。
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部下の育成において、やらなければいけないことを後回しにしてしまう部下への対応は重要な課題です。
最近勉強していることを心理学や脳科学の観点から、原因と背景を理解し、具体的な対策を講じることが有効です。今回は、つい忘れちゃう原因、背景、そして具体的な対策についてご紹介します。
このブログは私のアウトプット用としての意味もあります。
まだ私も完ぺきに理解できているわけではありませんが、みなさんと一緒に学んでいきたいと思っております。
つい忘れちゃう原因
プロクラステイネーション(先延ばし):
心理学的背景:
人は「将来の自分は現在の自分と異なる」と錯覚しがちで、目の前の誘惑に対抗する自己制御力が不足しています。これを時間割引と言います。簡単に言うと、後でやるのが今やるよりも簡単だと思い込んでしまうのです。これ不思議ですよね。
脳科学的背景:
前頭前皮質(脳の前の部分)の働きが低下すると、計画を立てたり集中する力が弱くなります。また、脳の報酬系(嬉しいことを感じる部分)が過剰に働くと、すぐに楽しいことを優先してしまいます。 これはもう自分に勝つしかないですよね。
記憶力の問題:
心理学的背景:
長期記憶に移行するためにはリハーサル(繰り返し練習)や反復が必要ですが、忙しさや注意が散漫になると、これがうまくできません。要するに、覚えるためには何度も練習が必要なのです。 私のこのブログがまさにです。 覚える(入力)→ブログに書く(出力)→YouTube撮影(出力) これで記憶を定着させようとしてます。
脳科学的背景:
海馬(脳の記憶を司る部分)の機能が低下したり、神経伝達物質(情報を伝える化学物質)が不足すると記憶が難しくなります。また、ストレスによるコルチゾール(ストレスホルモン)の増加が記憶形成に悪影響を及ぼします。
背景
ストレスと環境要因:
心理学的背景:
職場のプレッシャーや過度な業務量がストレスを引き起こし、安全な環境が確保されていない場合、頭がうまく働かなくなります。単純に、ストレスが多すぎると考える力が減ってしまうのです。
脳科学的背景:
慢性的なストレスは脳の前頭前皮質の働きを阻害し、意思決定を困難にします。また、ストレスホルモンのコルチゾールが記憶形成を妨げます。要するに、ストレスが多いと脳の重要な部分がうまく働かなくなるのです。
動機付けの不足:
心理学的背景:
内発的動機付け(自分の達成感ややる気)が欠如していると、外発的動機付け(報酬や罰)に依存しがちです。簡単に言うと、自分でやりたいと思う気持ちが弱いと、外からのご褒美や罰に頼ってしまいます。
脳科学的背景:
ドーパミン(やる気や快感を感じる物質)の不足がやる気や集中力に影響を与えます。要するに、やる気を出すための物質が足りないと頑張れなくなります。
具体的な対策
タスク管理と計画の強化:
具体策:
目標を明確にする:
部下がやるべきことを明確にし、具体的な目標を設定します。大きな目標を小さなタスクに分割し、段階的に達成できるようにします。例えば、「プロジェクトを完了する」という大きな目標を、「今週中に資料を集める」「来週は資料を整理する」といった小さなステップに分けます。
進捗を可視化する:
タスクの進捗状況を見える化するために、ガントチャートやTo-Doリストを使用します。進捗が視覚的にわかることで、達成感を得やすくなり、モチベーションが向上します。
定期的なフィードバック:
部下に対して定期的にフィードバックを行い、進捗を確認します。フィードバックを通じて、問題点や改善点を共有し、次のステップに進むためのサポートを行います。
心理学的裏付け:
行動経済学に基づくナッジ理論(小さな動機付けによる行動促進)を活用します。これは、小さなきっかけが大きな行動変化を促すという考え方です。例えば、目標を小さく分けて達成することで、達成感が得られやすくなります。
脳科学的裏付け:
報酬系の適度な刺激によるドーパミンの分泌促進が期待されます。要するに、小さなご褒美が脳に良い影響を与え、やる気を引き出します。
メモリーテクニックの導入:
具体策:
視覚的なメモ:
ポストイットやホワイトボードにメモを書いて、目に見える場所に貼ります。視覚的なメモは、記憶の補助となり、忘れにくくなります。
デジタルツールの活用:
スマホのリマインダーやタスク管理アプリを使用して、やるべきことをリスト化します。アラームや通知機能を使って、忘れないようにすることができます。
繰り返しのリハーサル:
やるべきことを繰り返し確認することで、記憶に定着させます。例えば、朝にその日の予定を確認し、夜に振り返るといった方法です。
マインドマップの利用:
情報を視覚的に整理するために、マインドマップを使います。これにより、情報の関連性が見えやすくなり、記憶に残りやすくなります。
心理学的裏付け:
記憶のエンコーディング(情報を覚えるプロセス)とリトリーバル(情報を思い出すプロセス)の強化が図れます。視覚的なメモや繰り返しのリハーサルは、記憶をしっかり保存して取り出しやすくする方法です。
脳科学的裏付け:
海馬の神経可塑性(新しい情報を覚える能力)の促進が期待されます。要するに、脳が新しい情報を覚えやすくなるということです。
ストレス管理と健康の促進:
具体策:
定期的な運動:
日常生活に適度な運動を取り入れます。例えば、毎朝の散歩や週末のスポーツ活動などが有効です。運動はストレスホルモンの減少に寄与し、リラックス効果があります。毎回これ系のブログでは毎回言いますが、だまされたと思って1日5分でいいので歩いてみてください。
リラクゼーションの実施:
ヨガや瞑想、深呼吸などのリラクゼーション方法を実践します。これにより、心身のリラックスが促進され、ストレスが軽減されます。
職場環境の改善:
仕事量の調整や適度な休息の確保を行います。例えば、定期的に短い休憩を取ることで、集中力を維持しやすくなります。また、職場の雰囲気をリラックスしたものにすることで、ストレスが軽減されます。
健康的な生活習慣:
バランスの取れた食事や十分な睡眠を心掛けます。健康的な生活習慣は、ストレスに対する抵抗力を高め、心身の調子を整えます。
心理学的裏付け:
ストレス軽減による注意資源の回復が期待されます。ストレスを減らすことで、頭がスッキリし、効率的に仕事をこなすことができるようになります。
脳科学的裏付け:
ストレスホルモンの減少による前頭前皮質の機能回復が図れます。要するに、ストレスが減ると脳の重要な部分がうまく働くようになります。
参考文献(要約)
Procrastination: The Role of Cognitive Control and Emotional Regulation:
この論文では、先延ばし行動の根底にある認知制御と情動調整の重要性が強調されています。前頭前皮質の機能低下や報酬系の過剰活動が関連しています。
The Neuroscience of Memory: Implications for Mindfulness-Based Interventions:
記憶形成における海馬の役割と、ストレスが記憶に及ぼす影響についての研究です。ストレスホルモンが記憶形成を阻害することが示されています。
Stress and the Brain: From Adaptation to Disease:
慢性的なストレスが脳の構造と機能にどのように影響を与えるかについての研究です。特に、前頭前皮質と海馬への影響が詳述されています。
これらの知見を基に、部下の育成における効果的な対策を講じることができます。部下が自身のパフォーマンスを最大限に発揮できるよう、適切なサポートを提供しましょう。