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【早産児における睡眠の注意】

Umito / カラダ・コンサルティングの山本健太です!
理学療法士の資格を持って地域で予防の活動に取り組んでいます!

・睡眠について最低限知っておいてほしい情報
・睡眠習慣を見直す情報 を発信します!

前回は、睡眠不足が神経系に及ぼす影響についてついお伝えしていきました!今回は、早産児における乳児突然死症候群について考えていきます!

早産児の乳児突然死症候群

世界保健機関は、これらの10分の1以上が早産(妊娠37週前)になると予想されており、世界中で年間約1500万人の早産に相当すると報告されています。医学の進歩により、早産児の生存率の大幅に増加しています。しかし、生存率の向上にもかかわらず、早産児は生後1年で死亡するリスクが高くなっています。その乳児死亡の原因の1つが、乳児突然死症候群(SIDS)です。早産児(妊娠週数37週未満)または低出生体重(2500g未満)は、SIDSのリスクが高くなることが報告されています。

満期に生まれた乳児と早産児の死亡の違いは、発生する月齢にあるようです。満期に生まれた乳児では、SIDSによる死亡の90%が生後6か月未満の乳児に発生し、発生率は2か月から4か月の間に明確なピークがあるようです。早産時ではピークの幅が拡大する傾向にあるようです。

SIDSへの最終的な経路は、未熟な心肺制御と睡眠からの覚醒の失敗が組み合わさった結果と信じられているようです。複数の神経病理学的研究は、SIDSの乳児が死亡前に正常な状態ではないという概念が支持されており、覚醒および心肺反応の先天性欠乏も重要な要因である可能性があります。実際、研究においてSIDSの乳児において睡眠に移行するための覚醒状態レベルを調整するオレキシンの欠乏が特定されているようです。オレキシンは、視床下部の睡眠中の安定した呼吸の維持に寄与しており、この欠乏がSIDSのリスク要因となる可能性があります。早産児では、発達が未熟なためにこの欠乏が起こりやすい可能性があります。

予防するために知っておきたいこと

SIDSの原因は明らかとなっていませんが、トリプルリスク仮説が提唱されています。3つのリスク要因は、①心肺制御など重要な発達時期となる0〜6ヶ月齢であること、②脆弱な乳児であること(遺伝的要因、早産児、母親の喫煙やアルコール摂取の影響)、③外因性ストレス(うつ伏せ寝姿勢、高温高熱、掛け布団、添い寝、睡眠不足、感染)です。3つの要因がすべて存在した場合SIDSが起こるリスクが高いというとこです。

アメリカ小児科学会の現在のガイドラインでは、生後12か月間、すべての乳児が仰向けで寝ることを推奨しています。乳児におけるうつ伏せ睡眠は、心拍数制御の低下、血圧の低下、血圧制御の低下、脳の酸素化のおよび脳酸素レベルの制御とともに、乳児の生理学に大きな影響を与える事がわかっています。満期出産後、心拍数の副交感神経支配の増加の結果として、生後1か月で心拍数は上昇し、その後徐々に低下するとされています。 しかし、早産児では心血管系の自律神経系制御も未熟なために心拍数の増加、心拍数の変動の減少および満期児と比較して血圧の制御の低下が起こりやすいようです。

早産児では、トリプルリスクのうち1つの要因を満たすことになるため、他の要因を満たさないように注意が必要です。今回の情報を予防できる術として、SIDSのリスクを減らしていきましょう!

参考文献
Horne RS, Harrewijn I, Hunt CE. Physiology during sleep in preterm infants: Implications for increased risk for the sudden infant death syndrome. Sleep Med Rev. 2024 Dec;78:101990. doi: 10.1016/j.smrv.2024.101990. Epub 2024 Jul 31. PMID: 39116607.

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