2022年の水難事故ニュースを振り返り、思うこと。
こんにちは、海のそなえ事務局の河田です。
暑さは残るものの、朝晩は涼しくなり、秋の気配が強くなってきた今日この頃。先日、取材で鎌倉の海へ行きましたが、浜辺も真夏時よりは人も減ってやや落ち着き、穏やかな波音を響かせていて、「夏が終わった」ということを実感しました。
そんなひと夏が終わった今、今年の海状況というのを自分なりに少し振り返ってみたいと思い、今回記事を書かせていただきました。
今年の水難事故のニュースで感じた、二次被害のリスク
振り返れば、たしか6月頃から水難事故のニュースをメディアで見聞きするようになったように思います。その中で、水難事故の発生状況として特に多いように感じたのは、「溺れた人を助けに行った人が、そのまま行方不明になってしまったり、溺れてしまった」というものです。
目の前で誰かが溺れていたら、何とかしなくてはと発見者もパニックに陥るでしょうし、救助の仕方を知らなければ、「まず自分が助けなければ」ととっさに行動を起こしてしまう人もいると思います。ですが、たとえ泳ぎに自信がある人でも水中で溺れた人を助けるのはとても危険とされています。特に海には離岸流、河川は浮力が少ない上に水流があるなど、人の力では逆らえないリスクが多々あります。また、溺れている人の元へたどり着けたとしても、しがみつかれて泳ぐことができないという危険な状況も生じかねません。
二次被害を招かないためにも、より多くの方に対処法をはじめとする、知識のそなえを知っておいてもらいたいと思います。本noteでもこれまでに、海や河川の関係者の方達に水辺のリスク、危険が生じた時の対処法などを教えていただき、情報として発信してきました。その一部を下記に再掲したいと思います。
水辺の活動をおこなう教育関係者の方必見! 6/26に開催した「幼児教育の現場から発信する水辺の安全」セミナーレポート
https://sonae.uminohi.jp/n/n4b83343637c0?magazine_key=mf5e491d3bbc8
「知っていれば守れる命がある」。気象データを扱うプロフェッショナルに天気を味方にそなえる習慣の大切さを教えてもらいました!
https://sonae.uminohi.jp/n/nf50feb154383?magazine_key=mf952d0608c83
紫外線のこと、海水温の違い、子連れで海へ行く最適な日を教えます/海のお天気教室note版
https://sonae.uminohi.jp/n/n85b0e5a97540?magazine_key=mf5e491d3bbc8
川の楽しさとリスク、その両方を知る大切さを伝え続ける河川財団・子どもの水辺サポートセンターとは?
https://sonae.uminohi.jp/n/nad6eecbc3d55?magazine_key=mf952d0608c83
「ベストアイテムは粗品のタオル」熱中症研究の専門家に聞いた、海辺での対策&予防方法
https://sonae.uminohi.jp/n/nf93bac9e0a58?magazine_key=mf5e491d3bbc8
夏本番前に知っておきたい知識が盛りだくさん!5/16開催の「熱中症&水難事故は予防できる!」セミナー
https://sonae.uminohi.jp/n/n6a7a90d22e1f
“子どもの安全”を知らない大人が、 正しい知識を学ぶこと
https://sonae.uminohi.jp/n/n43d6d01e1528
保護者に役立つ冊子PDFを発見!「Love&Safety 子どもの安全管理~水辺の事故を減らすために、今できること~」
https://sonae.uminohi.jp/n/nae68399ac3b3
実践的な水辺の事故防止策を学べるICT教材「Swim&Survive」公開中
https://sonae.uminohi.jp/n/nefe4dbda40c1
そなえと見守りの大切さ。まずは、できることから始めよう。
冒頭で、取材のために自分が鎌倉を訪れたことをお伝えしましたが、取材をさせていただいたのは、子ども達のサーフィン体験のイベントです。イベントでは、子ども達が海へ入って体験をする間、海上ではイベントスタッフがいざという時には手の届く距離で指導をし、陸上では保護者がずっと子ども達の姿を見守るなど、常に子ども達の安全が確保された状態でした。
また、私は撮影のため、浜辺からカメラで子ども達の姿を追っていましたが、子ども達がサーフボードから落ちて頭まで水中に浸かってしまったりすると、本当に一瞬で姿を見失ってしまうんですね。いかに見守りが大切かを再認識した瞬間でした。
みなさんもぜひ、海や川などの水辺へ行く際は、できるだけそなえるための情報や知識を収集し、インプットしておいてもらいたいと思います。その事前のそなえが、命を救うことにつながります。
2022年の水難ニュースを振り返り、このnoteが存在する意義と価値を改めて考えさせられました。悲しいニュースが流れないためにも、私自身、ぜひ皆さんと一緒に“そなえ”を学び続けていけたらと思います。