一緒に絶望いたしましょうか
先日、友人に貸していただいた
「一緒に絶望いたしましょうか」という本を読了しました
この本はなんででしょうか、私にはとても刺さってしまいました
食事の内容の章で、食べることは体をつくって生きていくことだなと思いました
きっとこの小説の人達は生きるをすることにしたのでしょうね
印象深いところをあげていこうと思います
家事がしたくないなぁとか、そういうのではないのだ。誰か、決まった人のためにご飯を作り続けるということ。それは人間の体を作るということだ。その人の内蔵や血液や爪や髪の毛を、精神状態を、健康を、命の長さを作るということなのだ。もしもその人が死んだなら、わたしの作った食べ物のせいかもしれない。もしその人が死んだなら、同じものを食べていたわたしの一部が死んだのと同じことだ。結婚するということは、相手のこれから先の人生の面倒を見ると約束しあうことだ。誰かの人生を担うということ。そこまで他者の人生に関与していいものなのか、自信がない。いつか自信が出るものなのかも分からない。
と書いてありました。
私は今、実家に住んでおり朝ごはんの担当をして時折夜ご飯も担当する、または夜ご飯のお手伝いという形で料理をしています
私は誰かの今日を生きていく体づくりに関与しているのだと、改めて実感しました
そして、怖いと思ってしまいました
家族皆、よく食べる方ではあるのですが父が糖尿病を患っています
私は体の健康のためを思って料理を作ってきたのでしょうか…いや、私は喜びそうな料理しか作ってはきませんでした
すごく反省です
買い物に行った時に好きなものばかりが浮かび上がって甘いものなど買って帰ってしまう
すごく反省です
一人で過ごすのは得意中の得意だから、退屈や孤独や淋しさみたいなものは感じない。霊感もないので、真夜中に一人でも怖くない。お給料は多くはないけれど、贅沢をしなければやっていける。服にも車にも時計にもゲームにすら興味がないから、お金を使うのは家賃と食費と携帯代と、ときどき観に行く映画くらいだ。底辺を生きる若者?メディアはそんなふうに僕らをあおるけれど、でも僕は僕であることにそこそこ満足している。多分僕は恵まれているのだろう。この世知辛い世の中で、僕の悩みは、好きな人に好きと言えないことと、ときどき悪夢を見ることぐらいなのだ。幸福がすぎる。僕も、牛乳なしでパンを食べて、口の中をぱさぱさにしたほうがいいのかもしれない。
と書かれていました。
底辺を生きる…というのはいったい何なのだろうな、と思いました
慎ましやかに自分自身の面倒をみて生きるのは底辺なんでしょうか?
誰かの面倒をみて生きなければ、高い望みを抱かなければ底辺と呼ばれてしまうのでしょうか?
難しいですね…
それならばきっと私はずっと底辺を生きるものになりそうです
私の悩みは、好きな人ができないこととときどき悪夢をみて、時間が過ぎていくことが怖いぐらいなのですから
私も、口の中をぱさぱさにしたほうがよさそうです
作中に共感覚をもつ人がでてきます
文字に色がついてみえたりと音に色がついてみえたりとするそうです
その世界を私もみてみたいなと思いました
きっと大変なことだと思うのですが彩られた世界をみてみたいです
私の名前は何色なんでしょう
私の発する声は何色なんでしょう
私は何色なんでしょう、知りたいです
今更の紹介にはなるのですが、この作品は2人小さな偶然を重ねながら運命の出会いを果たします
運命はいつも、真正面からやってくるそうです
会った瞬間にすぐわかるとかそういうことなのでしょうか、すごいなぁ
目の前にいるこの人がいつか、わたしにとってかけがえのない人になるという運命的な出会い
私はすこし憧れてしまいます
私の運命センサーは機能してないんでしょうかね
先日、高校時代の友達が高校生から付き合っていた恋人と10年の月日を経て入籍されました
この本を読了した後の私は、とても刺さってしまいました
10年好きだと思える人に好かれ続け、夫婦になる下準備をちゃくちゃくと整えてきたことがすごいなぁと、ほんとシンプルな感想なのですがすごいなぁと思いました
その時間と結果に、すごく喜ばしくてとても嬉しかったです
そして憧れました、ちょっとした嫉妬もしてしまいました
(ここでは醜いなとか、黒いなという感情も素直にかいていこうと思いますので、苦手な方はすいません)
当たり前なのですが、彼女の10年も私の10年も違います
いい所もわるい所もあるでしょう、しかし私は彼女の10年に憧れてしまったんです
あ〜、柔らかな気遣いと緩やかな孤独をひきつれて一緒に絶望してくれる人いないのか〜
って思ってしまいました
いないものはしょうがない、でもこの本のように運命を信じてみたいものです
うん…ぼちぼち生きていきます
ぼちぼちぼちぼちぼちぼち
私は今日を生きのびたら
明日を生きようと思います
書かないことが多すぎる読書感想でした
かわいい絶望、やさしい絶望、みずいろの絶望、かんぜんなる絶望などを抱えているかもしれないみなさまも、よければ手にとって読んでみてください
ひとをころす夢もひとにころされてしまう夢も、
過去を乗り越え、新しい1歩を踏み出すきざしだそうで吉夢なようです
いつか観るかもしれない吉夢と一緒に絶望いたしましょうか
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