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読了: 薬指の標本 / 小川洋子


読みました。読みました、とか言って、再読です。

薬指の一部が欠けた「わたし」と、どこか不思議で危うい雰囲気をもつ標本技術士「弟子丸」の物語。
恋とも愛ともつかない関係性の二人を取り巻く静かな空気だったり、湿度だったりが魅力的な作品です。

「わたし」の薬指の欠片がサイダーに落ちていく描写と、靴磨き屋のおじさんとの会話の場面がとてもすき。

小川洋子さん作品のおじさんが好きすぎて、読み終わると「うわー、このいいおじさん、現実にいないのか……」となるときがある。いまがそれです。

わざわざ感想を書くまでもない名作だとは思うのですが、久しぶりに読んだら「やっぱり最高…!」と感情が大昂りしてしまったのでした。

最近全然本を読めていなかったのだけど、またぼちぼち読んでいきたいなあ。あー。

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