気になる変革。それは他人事ではないと思った方がいいのです。#退職金
もっと楽しいnoteが書きたいといつも思っている。
ただ、どうしても書かずにいられない。なぜって、一体、この国はどこへ向かって舵を切り始めたのだろうと思うから。
これほど働き方の形を変えようとしなかった国や企業が、今では猛ダッシュで日本の誇りだった働き方の形を脱ぎ捨てようとしている。
それはいいんだけどね。
説明不足
ただその決定が、あまりに早すぎて、ついていけない。
あまりにわたしたちへの説明が無さすぎる。
それは、この国の働く人の立場が明らかに弱いという証拠でもある。
わたしたちは情報弱者にさせられている。
国の発展のために個人が犠牲になることなら、これまでも幾らでもあった。
大きく何かが変わろうとしているときに、見えないものの陰で、切り捨てられていくものがあまりに多すぎる。
だから知っておいた方がいい。
他人ごとではない課税
日本では、今、インボイス制度で零細企業の税制がかわっているけれど、変わるのは消費税だけではない。
個人もその対象に入っている。
サラリーマンの退職金がターゲットに入っているのだ。
けれど、日本の退職金は特別だ。
日本の賃金は後払い制といわれているけれど、退職金も勤続年数によりその支給額が変わる。もちろん長く勤めているとその額は上がっていく。
だからこそ、誰もが嫌なことがあっても会社を辞めず物も言わず、ひたすら耐えてきたのだ。それが日本の後払い制なのだ。
しかもこの形を作ったのは、企業と政府だ。
退職金が減る?
日本では、退職金は通常、給料とは課税の内訳が異なる。
という常識があったのだ。
退職金には、給料ほどは税金がかからない。そんな仕組みがある。特に、長年勤めた人への税は制度化されていて、優遇されてきた。
けれど国税庁によれば、昨年から一部退職金が課税対象になっいる。
具体的には、勤続5年以下の退職金が減っている。理由はもちろん課税。
けれど、このことをいったいどれほどの人が知っているだろう?
後払い制をぶち壊す
そして、今、議論の対象になっているのが、岸田政権の退職金への課税だ。
2023年6月19日のJ-CASTニュースによれば、退職金に対する優遇制度の見直しを政府は着々と進めているとある。
これまでは、20年を超えて勤めた人の退職金は税負担が一気に軽くなる仕組みがあった。これは、もちろん終身雇用の日本型雇用、つまり後払い制に合わせた優遇制度だ。
ただ、首相は急いで「成長分野への労働移動の円滑化」を図りたいという。
そのため、退職金の優遇制度の見直しを打ち出しているのだ。
これは従来の日本型の後払い制を無くすやり方だけれど、あまりに唐突過ぎる。
これでは将来設計に退職金を入れている人の人生計画まで大きく変わってしまう。
おわりに
しつこいようだけれど、わたしは今、国や企業で流行り言葉のように使われているジョブ型に懐疑的だ。
もしジョブ型というのであれば、その基本は平等だ。けれど、そうしたことには手を付けず、見える部分のみ変えていくのであれば必ず取りこぼされる人が出てくる。
日本型雇用の基本を残したままで、どうやって欧米型の働き方を導入しようとしているのかわたしにはさっぱりわからない。
急いで変革が必要な時こそ、この国の労働市場に最も欠けている、企業の入り口である、雇用の平等から向き合う必要がある。日本の働き方の不平等の全ては、入り口から始まっている。けれど日本には、入り口で採用の不平等に対するチェックなどない。働く側がかなり弱い社会なのだ。
だから思うのだ。
見える部分だけの変化など、あとで恐ろしい形を残すだけだと。
※最後までお読みいただきありがとうございました。
※スタエフでもお話ししています。