「対話の難しさ」
「対話の難しさ」
通常の会話は誰でも出来る。
しかし、対話となるとそう簡単ではない。
更には「創造的対話」となると不可能に近い。
私は26歳の時「神秘体験」をした。
自我意識の変容以来74歳の今日まで分野問わず数千人と対話をしてきた。
私はソクラテスの対話法を現代に相応しい方法へとする為に「魂の遠近法」を用いた。
「魂の遠近法」とは私自身が新しく考えた概念である。
この方法は余程の洞察力がないと不可能である。
相手に即し即さず徐々に対話を深めていく。
しかし、相手が哲学、心理学、文学等を生半可に書物等で知っていると頗る厄介である。
当然であるが、誰でも自分自身が獲得したものを壊されたり消失するのを好まない。
これは所謂個人のプライドに属するものである。
追い詰めすぎると、対話どころか相手は激高し、下手すると命のやり取りにまでなりかねぬ。
そのような体験を数多くしてきた。
私は真剣な内容の場合は何時でも刺し違える覚悟で接してきた、故に何故かまだ生きている。
だが、何時死んでもいい歳でもある。
成すべき事がまだ残っているのであろう。