中島敦とクリシュナムルティ
中島敦とクリシュナムルティ
中島敦の小説「名人」に書かれているものは弓の名人があらゆる修行を積み、最後には弓の名前すら忘れるという物語である。
簡単に言えば「無・痴呆的意識状態」が名人の到達した意識状態である。
この意識状態は「虚無観」と同じで、彼の「荘子」と同じ意識状態だと言える。
クリシュナムルティも「名人」が至ったものと同じ意識状態である。
神智学のアニーベザントはクリシュナムルティのオーラを見てキリストの再来と信じた。
ルドルフ・シュタイナーが神智学と決別したのはアニーベザントの見解を受け入れがたかったのである。
シュタイナーは「人智学協会」を設立した。(これに関しては、ここでは詳細には書かない。)
中島敦が描いた「名人」が至った境地とクリシュナムルティの意識状態は完全に符合する。
今日の時代に蔓延する相対的意識、虚無観に呪縛された魂はクリシュナムルティの教義、教えに共感する。
ゆえに、彼の書いた著作は今日でもベストセラーとなっている。
今後も、この状況は変わりそうもない。
自己探求者はこのような地点に立ち止まることは許されぬ。
だが、自分の欲するものしか欲しない現代人の魂にとっては誠に分かりやすい世界観でもある。
如何ともし難いことであるが、人間は何かに依拠せねばおのれ自身を保持出来ぬからである。
努々、自己探求者がしかと気をつけねばならぬ重要、肝心事である。
中島敦
https://ja.wikipedia.org/wiki/中島敦
ジッドゥ・クリシュナムルティ
https://ja.wikipedia.org/wiki/ジッドゥ・クリシュナムルティ
ジッドゥ・クリシュナムルティの動画
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=dyhgeZzGH34&hl=ja&cc_lang_pref=ja